今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『「ピーターパン症候群」男性を夫にできる?!』をご紹介させて頂きます。

「ピーターパン症候群」をご存じでしょうか。「いわゆる大人」になりきれない成人のことを、このように呼びます。「症候群」と聞くと「病名」のように感じますが、医学や心理学の分野で「病気」と認定されているわけではありません。
ただ、「特定の人に同じような問題行動が現れる」ととらえられているので、「障害」といえば障害です。しかし、本人や社会に著しい損害を与えることはないので「準病気」といった位置づけでしょうか。そこでこの原稿では「ピーターパン症候群の人」のことを「」を付けて「患者」と表記します。

ピーターパンは、イギリスの小説の登場人物です。「大人になれない」「大人になりたくない」と考えているピーターパンと、成人しているのに独立心がない「現実世界の人」を重ね合わせているのです。ピーターパン症候群は、1983年にアメリカの心理学者ダン・カイリー氏が提唱しました。

女性の「患者」がいないわけではありませんが、発症する人はほとんどが男性です。ここでも「ピーターパン症候群の男性」についてみてみます。
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ピーターパン症候群の症状とは…

ピーターパン症候群の症状は、極度なナルシズム、男尊女卑的思考、無責任、整理整頓ができない、などがあります。1つずつみてみましょう。
まず「極度なナルシズム」ですが、自分を特別な存在だと感じる傾向があります。そのため「何をしても自分は許される」という考えに陥り、周囲の迷惑に気付きません。所属しているグループ内でのトラブルは、調和を「壊す」タイプではなく、「乱す」タイプです。

男尊女卑的思考では、女性の独立心を嫌います。男性「患者」は、しっかり自己主張する女性や、女性の管理職が苦手です。ただ「上昇志向が強い男性」とは異なり、そういった女性を攻撃することはまれです。ピーターパン症候群の男性の方から、独立心のある女性に距離を置くようになります。

10代後半までは、ピーターパン症候群の症状が出ていても、あまり問題になりません。「思春期に特有の行動」との区別が判然としないからです。ただ「思春期に特有の行動」をとっていた人は、成人して仕事を始めると、周囲との調和を保てるようになるのに対し、ピーターパン症候群の「患者」は、成人しても同じようなトラブルを起こしてしまうのです。
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ピーターパン症候群を引き起こす原因は定かではありません。ただ「一定の傾向」はみられます。遺伝や性格というより、家庭環境や社会的要因が背景にあると、専門家は指摘しています。

「両親が過保護だった」「幼少期に虐待を受けていた」「両親が不仲だった」「リッチな家庭に育った」「ヒーローが活躍するテレビや漫画をよく見ていた」「リーダーシップのある政治家や革命家のドキュメント番組をよく見ていた」などです。
このような環境下に置かれて後天的に「男性が強い」「男は男らしくあるべき」「自分はヒーロー」という考えが身についてしまったと考えられます。

繰り返しになりますが、問題行動が強い場合、他の精神疾患が疑われます。つまり、うつ病や統合失調症、発達障害と診断された時点で、ピーターパン症候群は否定されます。
周囲に大きな損害を与えない範囲にとどまっているときに「ピーターパン症候群だね」と評価されるのです。
さらに「男性に多い」という要素を加えると、ピーターパン症候群が問題になるのは、ピーターパン症候群の男性と交際している女性が、その人と結婚してもいいのかどうか、というときです。
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まず、セックスの問題が生じるでしょう。ピーターパン症候群の男性は、初体験年齢が高い傾向があります。もしくは結婚するまで性交渉をしていないかもしれません。結婚後もセックスレスになる可能性があります。
その他の結婚生活の問題点としては、束縛が強かったり、マザコンだったりすることです。これは「伴侶として不快に感じるレベル」に達することがあります。

明白な「精神疾患」とは異なりますので、ピーターパン症候群の男性を好きになってしまった女性にとっては悩ましい問題です。

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