今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『それ本当に五月病?うつ病との違いを知っておこう!』をご紹介させて頂きます。
「五月病」と聞くと、新入生や新人サラリーパーソンがかかる症状を思い浮かべると思います。やる気に満ち溢れて新しい組織に所属する4月。気を張って体を張って新しいことに取り組んでいるうちに、あっという間にゴールデンウィークです。緊張の緩和の急激な入れ替わりによって心の調子が崩れ、気分が落ち込んでしまうのです。

この記事では、主にビジネスシーンでの五月病とうつ病について考えてみます。
20160527s

「五月病」は「うつ病」とは違います!!

うつ病はより深刻な病気です。しかしだからといって、五月病がつらくない病気というわけでもないのです。
さらに、「五月病だから我慢しなくちゃ」と思っている人が、実はうつ病だったという事例もあります。五月病とうつ病の違いをしっかり理解しましょう。

五月病は「やる気に満ち溢れた人」がかかることが多いです。ビジネスシーンでは、「営業でバリバリ走り回りたい」「開発に没頭したい」と思っているのに、任される仕事は雑用ばかり、というシチュエーションで多く発症します。
五月病になりやすい人は「真面目」「仕事熱心」「割り切りができない」人といわれています。
20160527r

「五月病」は「俗称」?正式な病名は「適応障害」です。!!

「五月病」は「俗称」です。正式な病名は「適応障害」です。20代が発症しやすいのですが、最近では40代でも苦しんでいる人がいます。
ある医師は「かつては、五月病の患者は、夏前には回復して元の状態に戻っていたが、最近は長引く傾向がある」と指摘しています。つまり「五月病」にとどまらず、「五月六月七月病」になっているというのです。

さて、「新人さん」が「五月」に「元気がなくなったり不眠に陥ったりする」状態は、うつ病患者にも現れます。つまり、五月病とうつ病は混同されやすいのです。
うつ病では「怒られるのは自分のせい」「自分には能力がない」といった、自分を責める気持ちが生じることが特徴です。ですので必ずしも「五月病はそのうち治る」「五月病で病院にかかるのは大袈裟」とは言い切れないのです。
20160527q
病院にいった方がいいものなのかどうか悩んだときのために、厚労省が作ったチェック表を紹介します。次の項目で「時々ある」を1点、「よくある」を3点として点数化してみてください。11点以上あれば、注意が必要です。

□イライラする
□不安だ
□落ち着かない
□ゆううつだ
□よく眠れない
□体の調子が悪い
□物事に集中できない
□することに間違いが多い
□仕事中、強い眠気に襲われる
□やる気が出ない
□へとへとだ(運動後を除く)
□朝、起きたとき、ぐったりした疲れを感じる
□以前とくらべて、疲れやすい

もし点数が多い方で、心配になって病院に行く場合は、チェック済みのチェック表を持って医師に渡してください。診察の助けになるかもしれません。
20160527p

五月病やうつ病の、治療以外の対策とは…

五月病やうつ病が仕事の現場で起きた場合、周囲の対応や職場環境がポイントになってきます。こうした病気にかかりやすい人は、真面目で能力が高い人が多いです。職場の同僚や上司がこうした人に手を差し伸べることは、「本人のため」「同僚のため」そして「会社のため」になるという、Win-Win-Winを築くことができるのです。

同僚や上司が最初に取るべき行動は「察知」です。五月病もうつ病も、初期症状は「いつもと違う」から始まります。つまり「いつも」を知っておかなければならないのです。職場での五月病・うつ病予防は、症状が起きる前から準備しておかなければならないのです。

ビジネスでは、「ストレス」や「叱り」がプラスに働くことがあります。ストレスも叱りも、スキルアップのエネルギー源です。しかし「過度なストレス」や「過度な叱り」は、心の病気の直接的な原因です。
従業員の健康を守り、なおかつ業績を上げている会社では、「良いストレス」と「悪いストレス」をきちんと区別していて、悪いストレスの排除に力を入れているところが多いようです。

ただ、周囲が「うつ病かも」と感じたら、「良いストレス」も悪い結果を引き起こすので注意してください。

本人の取り組みも重要です。まず「うつ病かも」と感じたら、迷わずクリニックにかかりましょう。「うつ病」は、自力で治すことはできないと考えてよいでしょう。
「うつ病ではない、五月病だ」と思ったら、やるべきことは「仕事に対する考え方」を考えてみることです。

「やりたい仕事」と「命じられている仕事」のギャップが、五月病を引き起こしている可能性があります。熱意のある人ほど、「やりたい仕事以外の仕事」を「やりたくない仕事」ととらえる傾向が強いようです。「やりたくない仕事」は大きなストレスになります。
しかし「仕事に対する考え方」を変えると、「やりたくない仕事」が「やりたい仕事のトレーニング」になっていることに気付くかもしれないのです。

その他に本人にできることとしては「相談」です。実は、相談下手な若者が増えています。「ホウレンソウ」のうち、「報告」「連絡」はきちんとできているのに、「相談」はしないのです。「相談」は自分の弱い部分をさらす行為だからです。
しかし「相談」には「相手を頼りにする」という、人間関係構築の大きなステップが隠されています。思い切って「どうして私は仕事が上手にできないのでしょうか」と聞いてみましょう。

▶︎医師が薦める「精神科」の名医情報なら【名医ログ】

▶︎医師が薦める「小児精神科」の名医情報なら【名医ログ】