手を酷使する職業の人は注意・骨組織が死ぬ「キーンベック病」

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『手を酷使する職業の人は注意・骨組織が死ぬ「キーンベック病」』をご紹介させて頂きます。

マウスをクリックしても激しい痛み

手首を使ったあとに、引っかかるような痛みがあらわれたり、手首の外側(甲側)が腫れて力が入りにくくなったり、手首が動かしにくくなったりするときは、「キーンベック病」の可能性があります。

キーンベック病は、軽い痛みからはじまり、特に手首を反らすときに痛みが感じられ、やがて手をつくなど手首に負荷がかかると激しい痛みが起こります。

握力が衰え、ひどくなると握力が全くなくなります。次第に動かすだけで痛みが走り、マウスのクリックすることもできなくなるといいます。
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手を酷使する職業の人がなりやすい

発症率は決して少なくありません。手の異常を訴えて受診する患者の100~120人のうち、1~5人にキーンベック病がみられます。青壮年の男性の利き手に多く発症し、男女比は4対1です。

工員・大工・農漁業・テニス選手など手を酷使する職業の人がなりやすい疾患です。患者の約10%は両手に発症します。またときどき、高齢の女性に発症する場合があります。
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栄養が遮断され、骨が壊死する

手関節(手首)は8つある手根骨から構成されています。その中央付近にある「月状骨」という小さな骨がつぶれる病気が「キーンベック病」です。

何らかの原因によって、月状骨に血流障害が生じ、血管からの栄養が遮断されて、骨が壊死(骨組織が死んだ状態)します。

月状骨は、周囲がほぼ軟骨に囲まれており血行が乏しく、使いすぎなどによる月状骨の小さな外傷の繰り返しで、血流障害になりやすいと考えられていますが、詳細はまだ分かっていません。

月状骨は、手首を使うときの中心的な役割です。手先から伝達される軸圧の大半は月状骨を経由しています。したがって、月状骨が壊死すると、手にかかる圧力が前腕部にうまく伝わらなくなり、握力が低下したり、物を押す際に強い痛み感じるようになります。
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「少し様子を見よう」は絶対にしないで

特に手をよく使う職業の人で、思い当たる外傷もなく、手首の甲側に痛みと腫れが見られるときは、「少し様子を見よう」とは絶対にしないで、整形外科専門医への受診をおすすめします。

手背の中央を押して痛みがあれば、キーンベック病の疑いがあります。放置すれば骨の壊死・破壊が進行します。発見次第、何らかの治療をしない限り治癒することはないようです。

初期の段階ではレントゲン写真に変化は見られず、「腱鞘炎」と誤って診断されることがあります。痛みや腫れがひかないようなら、MRI(磁気共鳴画像)検査が有用です。症状が進行するにつれて、レントゲン写真に月状骨の圧潰や関節症性変化がはっきり見えるようになります。
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壊死が進行するまえに手術

症状が軽く骨の変形もほとんどない場合はギプスや装具による固定が行われますが、キーンベック病はごく初期での診断が難しい疾患であるため、実際このような保存療法を行う機会は少ないようです。

レントゲン写真で、すでに月状骨の圧潰が見つけられた場合は、手術療法を行います。手術の目的は、(1)痛みを取る、(2)握力を回復する、(3)関節の変形を防ぐことです。手術は壊死・破壊が進行しないうちに受けた方がよいといわれます。

月状骨の血行が再開するように、血管を移植する手術(骨移植)や、月状骨にかかる力を減らすために橈骨短縮骨切り術(橈骨を短くする骨切り手術)などがあります。

年齢や、患部の状態に応じて術式が選ばれます。医師とよく相談して、自分の病態に合った方法を選択しましょう。

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