野球肘と非常に似ていて「実は違う」パンナー病!

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『野球肘と非常に似ていて「実は違う」パンナー病』をご紹介させて頂きます。

5〜10歳児で、肘関節の痛みや動きの制限

パンナー病とは、肘関節の「上腕骨小頭」と呼ばれる部位の骨端核(成長軟骨の中心部)で、血流の阻害が生じ、痛みをともなう疾患です。1927年、デンマークの整形外科医であるデーン・パンナー氏によって報告され、その名前がつきました。

肘関節の痛みや動きの制限があらわれます。よく知られる「野球肘」の1つである「上腕骨小頭離断性骨軟骨炎」によく似た症状ですが、まったく異なる疾患です。

上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(いわゆる野球肘)は12~15歳で見られますが、パンナー病は5〜10歳の男児に比較的多く発症する傾向があります。
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血流が途絶え、軟骨が壊死する

パンナー病を引きおこす「上腕骨小頭」は、肘の外側(親指側)にあり、成長期にはまだ完全な骨ではなく、成長軟骨と呼ばれる柔らかい組織です。

その中心部は「骨端核」と呼ばれます。骨端核はいずれ完全に骨化し、成長軟骨はなくなり栄養血管で満たされます。しかし、5〜10歳の小児期では、骨端核に栄養を送るための血管分布が乏しく、血行障害などを受けやすい部分です。

パンナー病は、骨端核に栄養を送るための血管に何らかの障害が発生し、血流が途絶えることによって、軟骨部分が壊死してしまう疾患です。

血行障害の原因は、さまざまな説があり、未だに明らかにされていない部分が多く残されています。発症する児童がそれほど多くはないため、症例の観察や分類が困難になっていることが要因の特定を阻んでいるようです。 肘の上腕小頭骨に繰り返し負荷や外傷がかかることが原因の1つと言われています。
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肘を伸ばす・曲げるの両方で、ズキズキ痛む

骨端核の損傷が進行しているときには、肘に強い疼痛がおこり、可動域の制限を感じる時期があります。痛みは、肘を伸ばしたとき(伸展時)と、曲げたとき(屈曲時)の両方におこります。

症状がスポーツをしている男児に現れることがあり、少年野球をしている子供は右側に多く症状が見られることから、野球肘と間違われることがあるのでしょう。

野球肘(上腕骨小頭離断性骨軟骨炎)は、肘を伸ばしたときにだけ痛みがあらわれ、屈曲痛はほとんどみられません。
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肘を伸ばす・曲げるの両方で、ズキズキ痛む

パンナー病は、小児の旺盛な「修復能力」が期待できる病気です。骨端核がある一定の段階まで損傷を受けると、自然に修復へと向かい、痛みなどの症状はおさまっていきます。

疼痛が強い時期は、スポーツなど患部にストレスや負荷をかけることを避け、できるかぎり安静に過ごしましょう。1~3年ほど経過するとほぼ完全に治癒します。

念のため、整形外科を受診するのがよいでしょう。X線検査を行うと、骨端核が次第に破壊されていく特徴的な画像がみられます。正しく診断されれば、障害が残ることはほとんどありません。

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