今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『よく噛むことのメリット、こんなにあります!』をご紹介させて頂きます。

現代人は戦前の日本人と比べて半分以下、弥生時代と比べると6分の1程度まで食事時の噛む回数が減っています。今一度噛むことの大切さについて考えてみませんか?今回はよく噛むことが心身に及ぼす影響についてご紹介します。

消化吸収を助け、肥満予防

よく噛むことで唾液がたくさん分泌されます。唾液と混ざり柔らかくなった食事が胃の中を通過することで消化を助けて胃腸そのものの働きが活発になります。また、噛むことで満足感が得られるため、過食を防ぐことができ、肥満の防止に繋がります。咀嚼ダイエット、といってよく噛んで食べるだけでダイエット効果があるのは有名です。食事量を減らす効果だけではありません。しっかり噛むという行為そのものがカロリーを消費し、脂肪の燃焼を促進するといった効果があります。また味覚が発達することで薄味でもおいしく食事を摂ることができ、高カロリーの濃い味付けの食事を避けられるようになります。
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脳の働きを活性化

噛むことの作用で脳の血流が良くなります。脳内の知能に関わる海馬、総合的な働きをする前頭前野、情報を統合させる連合野、いずれも噛むことで活性化することが明らかになっています。子どもがしっかり噛むことで脳を刺激し、味覚や発声、顎、心の発達に影響するように、高齢者にも同様の効果があり認知症予防に繋がるといわれています。また噛むことでストレスを防ぎリラックス効果も得られるので穏やかな心の状態を保つことができます。スポーツ選手がガムを噛んでいるのは、十分な力を発揮できるように平穏な心で落ち着いてプレーするためです。ガムを噛んでいると記憶力もアップすることが研究で明らかになっています。
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美容効果もあります

口の周りの筋肉を使うことであごの発達を助け、表情も豊かになります。筋肉が鍛えられるとしわやたるみの予防となり若々しい印象となります。顔のラインもすっきり引き締まるので小顔効果があり、さらに歯並びの乱れを防ぐ効果もあるので顔全体の印象が変わってきます。子どもの頃にしっかり噛んでいる子は綺麗な歯並びになる、とよく言われています。
さらに唾液には肌の老化防止、肌荒れやニキビの改善の効果もあるので、よく噛んで唾液の分泌量を増やしましょう。

全身への活力に

噛むことで全身に力が入ります。スポーツ選手がマウスピースをしているのは、歯を守るためだけでなく、体に力を入れてパワーを発揮し強い衝撃に耐えるためです。運動だけでなく仕事など、ここぞという時に力がグッと入る集中力や瞬発力を身につけられます。手足を動かすのと同じように口もしっかりと動かすと人間の五感や運動能力を活性化することになります。
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虫歯予防、がん予防

よく噛んで食べると唾液の分泌が増えます。唾液には消化を助ける働きだけでなく、抗菌殺菌効果があります。口の中がきれいになり、歯垢が歯に付着するのを防いで虫歯や歯周病になりにくい口内環境が整います。また、歯の根っこが刺激されて、歯を支える骨の細胞の新陳代謝を活発にして健康な歯と歯茎を維持することができます。いつまでも自分の歯でおいしく食事を楽しむためにも、よく噛むことは大切です。
さらに唾液に含まれる酵素には食品の発がん性を抑える効果があり、がん予防にもつながると注目されています。腸内環境が整うことでアレルギー症状を抑える効果や、免疫力のアップも期待できます。
「しっかり噛む」とは、特別な運動も薬も必要としない究極の健康法かもしれません。それでも、柔らかい食事に慣れた現代人には難しいものです。噛む癖がつくような食材や調理法、食べ方などを工夫してみませんか?