今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『日焼け止めの選び方、使い方』をご紹介させて頂きます。
春を迎え温かい日差しが気持ちのいい天気の日には、外出で気分も爽快になります。でも、ちょっと気をつけて下さい。春でも日焼けの原因となる紫外線は私たちの肌へ降り注いでいます。
紫外線の違いと肌への影響
紫外線は波長の違いで、肌への影響にも違いがあります。ジリジリと強い日差しで、肌が赤くひりひりと日焼けする原因は、波長の短い紫外線B波(UV-B)です。B波はエネルギーが強く、肌表面を傷つけ炎症を起こすので、皮膚がんやシミの原因となります。ただし波長が短いのでオゾン層や雲に阻まれて、地上に到達するのは少量です。
波長が長い紫外線A波(UV-A)は、B波よりも肌の奥深くまで到達します。肌に急激な変化を及ぼすことはありませんが、気づかないうちに長い時間をかけてじわじわと肌へ影響が及びます。しわやシミの発生に大きく関わっていることが近年の研究で明らかになってきました。A波はオゾン層を通過しやすく、B波の20倍以上も地上に到達しています。さらに窓ガラスも通過しやすい性質のため、室内でも対策が必要です。
夏だけじゃない、季節ごとの紫外線量
B波は季節による変動が激しく、5月頃から増加して6~8月に最大となります。夏と比較して春や秋は50%程度、冬は20%程度になります。
A波は一番強くなるのは5月です。4月になると紫外線量は真夏とあまり変わりません。真冬の2月であっても、真夏の80%の紫外線量なので、冬場でも油断できません。A波については一年中注意が必要です。
曇りの日でも気を付けて
雨だから大丈夫、と油断は禁物です。晴れの日と比較して、曇りの日で60~80%、大雨でも30%の紫外線量があります。一日中晴天だった場合、紫外線は10~14時が最も強くなっているので、外出の時間帯を意識することも大切です。
場所による違いもあります。緯度の低いところほど紫外線は強くなり、沖縄は北海道の1.5~2倍ともいわれています。南に住む人ほど紫外線対策が必要になります。山の上など標高の高いところでも、低いところに比べると紫外線は強くなりますので、山登りなどのレジャーの際には紫外線対策をしっかりと行ってください。また、紫外線は反射します。アスファルトや芝、土の上での反射はさほどありませんが、新雪では80~90%と高い反射率になります。
日焼け止めの表示…SPFとPAの違いは?
SPFはB波に対する防御の指数で、日本では50+までの表示があります。通勤や買い物などの日常生活ならばSPF15~20ぐらいのものを正しく塗れば大丈夫です。炎天下でのレジャーやスポーツでは指数の高いものを使用し、汗や水、体の動きでこすれるなどして取れたりよれたりするので、こまめに塗りなおすことが必要です。
PAはA波に対する防御指数で日本独自のものです。効果の高さが「+」で示され、「++++」が最高値です。日常生活ではPA+やPA++程度でも十分とされています。SPF値と同じく、+が多くてもしっかりとこまめに塗りなおされていないと効果がありません。
皮膚がんが増えています、紫外線対策を!
皮膚がんは色素の少ない白人種に多くみられる病気ですが、黄色人種にもみられる病気です。皮膚がんになる最大の要因は紫外線です。近年はオゾン層の破壊が進み紫外線量が増えていることから、日本でも皮膚がんの発生は増加しています。
子どもには元気に外で遊んで欲しいものですが、紫外線が強くオゾン層破壊の影響が大きいオーストラリアでは、子どもが真夏でも長袖で遊ぶことが当たり前です。6か月未満の乳児は直射日光を避け、日焼け止めは使用しません。6か月以上の子どもは肌にやさしい成分のものを選んで使用してください。
日焼け止めを正しく塗ることに加えて、肌の露出を控える衣服の着用や、サングラスの着用、日傘の使用などで紫外線を防ぎましょう。紫外線のダメージはどんどん蓄積されてしまいます。季節、天気、時間も意識して適切な対策を心がけて下さい。