今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『椎間板ヘルニアの基礎と超最新治療』をご紹介させて頂きます。
腰痛の話題が出ると必ず出てくる病名が「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」です。患者数は約100万人といわれ、成人に限っていえば10人に1人が苦しめられています。激しい運動をする人や、腰に負担がかかる介護などの仕事に就いている人によく見られますが、運動や仕事に関係なく加齢によって発症することがあります。

そんな国民病の椎間板ヘルニアの基礎知識と超最新治療を紹介します。
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椎間板ヘルニアとは…

椎間板ヘルニア」は病名です。病気の名前はその病気の性質をよく表しています。この病気は「椎間板」が「ヘルニア」になっている状態です。
首と背中と腰の骨は「1本の縦長の骨」のようですが、実は24個のパーツがつながってできています。首の骨が7個、背中の骨が12個、腰の骨が5個です。1個1個のパーツのことを「椎骨(ついこつ)」といいます。

レゴブロックが24個、縦につながっていると思ってください。しかしもしレゴブロック同士が直接接触していたら、レゴブロックを動かしたときに摩耗して削れてしまいますよね。首や背中や腰を動かすたびに椎骨が削れては大変です。実は椎骨と椎骨の間にはクッションがあって、そのクッションこそが椎間板なのです。

なので、椎間板ヘルニアという病気は、首と背中と腰に起こる可能性があります。しかし最も発生頻度が高いのが腰なので「椎間板ヘルニア=腰痛」というイメージが出来上がっているのです。
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ヘルニアとは…

「ヘルニア」ですが、その意味は「本来飛び出してはいけないものが飛び出している状態」です。大福餅を押しつぶして、中の餡が餅を破って出てきた状態がヘルニアです。いわゆる「脱腸」もヘルニアです。脱腸の正式名称は「鼠径(そけい)ヘルニア」といいます。

ですので、椎間板ヘルニアは、本来、椎骨と椎骨の間に収まっていなければならない椎間板が、「グニャリ」と飛び出してきてしまっているのです。激しい運動や介護のような腰を使った仕事が、「大福を押しつぶす力」というわけです。

椎間板ヘルニアが痛みを引き起こすのは、腰の骨の近くに太い神経が通っているからです。飛び出した椎間板が神経を圧迫し、それで痛みが生じるのです。

椎間板ヘルニアが軽度の場合、手術は不要です。腰の周辺の筋肉を鍛えることで解消できることもあります。また局所麻酔やステロイド注射で痛みを和らげながら生活することも可能な場合がります。しかしこれは根本的な治療にはならないので、いわゆる「だましだまし」という状態になります。
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リハビリでも改善が期待できます!!

リハビリでも改善が期待できます。「体の牽引」というメニューがあります。体を引っ張ることで、椎骨と椎骨の隙間を空けて、椎間板の出っ張りを解消する狙いです。

それでも治らないと、手術という選択肢が医師から示されます。
手術では、背中側から切開して、「ヘルニア状態にある椎間板」を切除します。これを「後方椎間板切除術」といいます。
この手術と一緒に「椎間固定術」という処置が行われることがあります。椎間固定術は、金属のプレートで、ヘルニア状態になっている椎間板の「上の椎骨」と「下の椎骨」を固定してしまうのです。このことで「椎間板が出にくくなる」ことが期待できます。

さてここまでが、健康保険などの医療保険が適用される手術です。一般的な手術法といえるでしょう。次の紹介するのは、まだ厚生労働省が保険適用を認めていない手術です。ただ全額自費であれば、治療として受けることができます。
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それは「経皮的椎間板粉砕・切除術(けいひてき・ついかんばん・ふんさい・せつじょ・じゅつ)」といいます。
この手術法の優れている点は、「特殊な針を刺すだけ」という点です。手術と入院で、1泊2日で済むこともあります。
その針の何が特殊かというと、針の先からワイヤーが出てきて、椎間板を削れる機能を持っているのです。椎間板ヘルニアは、本来収まっていなければならない場所から「グニャリ」と飛び出ている状態ですから、この特殊な針で飛び出した部分の椎間板を削ってしまうのです。針はさらに、椎間板を削ったときに発生する「削りかす」も回収します。

この治療費は、ある病院では約65万円かかります。全額自己負担です。1日も早く保険適用され、多くの腰痛に悩む患者が安くこの治療を受けられるようになるといいですね。

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