成長過程で多くの子供にみられる「チック症」

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『チック症』をご紹介させて頂きます。

成長過程の子供に多い

チックとは、自分の意思とは関係なく 、突発的にくり返し体の一部を動かしたり、声を発したりする一種の癖のようなものです。4歳から11歳ごろにかけ、心と体の成長過程で多くの子供にみられます。男児に多い傾向があり、男女比は3対1といわれます。

ほとんどのチックは一過性で発症してから1年以内に症状はなくなりますが、慢性化して激症化すると「チック症」と診断されます。
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運動性と音声のチック

チック症は「運動性チック」と「音声チック」に分けられます。

(1)運動性チック
まばたき・首を振る・顔をしかめる・口を尖らせる・口のなかを噛む・口のまわりをなめる・腕を振り回す・肩を上下させる・体をねじったり揺すったりする・自分の体を叩いたりする・他人の体や物にさわる・物をける・飛び上がる、などがみられます。

(2)音声チック
アッ、ウッなど声を発する・ふんふん鼻をならす・舌をならす・咳払いをする・奇声を発する・うなり声をあげる・ため息をつく・卑猥や汚い言葉を言う・相手の言葉の語尾を繰り返す・自分の言った言葉を繰り返す、などがみられます。

周囲の目が気になり、症状を止めようと強く意識すると、かえって症状が出てしまう傾向があります。

重症化すると「トゥレット症候群」

チックは10人に1〜2人の子供がかかるほど発症率の高い症状です。そのため、生活に大きな支障をきたさないチックは、一般的に「障害」とは診断されず、治療の対象になることはほとんどありません。

症状が4週間〜12カ月続くときは「一過性チック障害」、12カ月以上毎日続くときは「慢性チック障害」と診断されます。さらに重症化して、複数の運動性チックと音声チックの両方が頻繁に起こり、長期化した症状を「トゥレット症候群」と呼びます。
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神経の伝達不具合や遺伝が原因か?

チック症の発症原因は、解明されない部分が多く確定されていません。かつては心因的な原因という解釈が多く見られましたが、近年では、ドーパミン系神経の過活動が関与するといわれ、その基盤には遺伝素因があると推測されています。

母子関係が重要な要因であるとする説を否定する医師も多くいます。精神的ストレスで悪化することを考えると、症状の増悪に家庭環境が関与しているのは事実であると考えられています。
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安心して!育て方の問題ではない

チック症が心理的葛藤で発生する考え方は主流ではなくなりましたが、それでも家族や周囲の理解が得られ、チックの症状が出ても気にせず、子供が安心して日常生活が送ることがまずは大切です。

子供の心の緊張や不安をできるだけ軽減するよう努めます。症状が出るたびに「やめなさい」「またやってる」など叱責したり注意を促したりするのは控えましょう。

軽症の場合は、遊戯療法などの行動療法が有効とされています。プレイセラピーとも呼ばれ、遊びを使って子供の病気を治療する心理療法です。また、ハロペリドールやリスペリドンなどの抗精神薬による薬物療法が一定の効果あるといわれます。

チックは家庭での育て方が悪くて発症するものではありません。症状は15歳くらいまでに落ち着くことが多いといわれています。長引くときは、小児専門外来など専門医の受診をおすすめします。

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