今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『オスグッド病』をご紹介させて頂きます。

スポーツ少年に多い、膝下の痛み

オスグッド病は、思春期の男児に多くみられる膝下の痛みで、発育期のスポーツ少年に起こりやすい症状です。発症した子供の90%以上がスポーツをしているといわれ、スポーツ障害と呼ばれることもあります。

お皿の下の骨が徐々に突出してきて、運動のときや正座をするときに強い痛みが起こります。 赤く腫れたり、熱を持ったりすることもあります。運動を数日休むと痛みがなくなりますが、開始すると痛みは再発します。

正式には「オスグッド・シュラッター病」といいます。ボストン(アメリカ)の整形外科医であるロバート・ベイリー・オスグッドと、チューリッヒ(スイス)の外科医カール・シュラッターが、1903年別々にこの症例を学会に発表したため「オスグッド・シュラッター病」と名づけられました。一般的には「オスグッド」と省略して呼ばれることが多いようです。
20160413h

「成長が止まれば治る」というものではない

オスグッド病は成長期の少年に多くみられるため、「成長痛」と診断されることがありますが、そうではないようです。

「成長が止まれば治る」というものではなく、痛みの問題は「スポーツによって太ももの筋肉が緊張して硬くなっていること」と「成長期の子供は膝下の脛骨粗面がまだ軟骨で弱いこと」にあります。成長期を過ぎた年齢でも、オスグッド病に悩む人はいます。
20160413g

子供の膝下はまだ「軟骨」で弱い

大腿四頭筋(太ももの筋肉)は、膝蓋骨(お皿の骨)を通り、膝蓋靭帯となって、脛骨(すねの骨)にくっつきます。この部分を脛骨粗面と言います。大人になると、脛骨粗面は硬い骨ですが、成長期の子供は成長軟骨という柔らかい組織でできています。

スポーツをする子供は、大腿四頭筋(太ももの筋肉)が緊張し硬くなっています。硬く張った状態で、ジャンプやランニングなど膝を曲げ伸ばしするたびに、膝蓋靭帯が引っぱる脛骨粗面は負担が増してゆきます。

すると、まだ柔らかい成長軟骨が裂けて浮きあがり、脛骨粗面(膝下)が膨らんだようになり痛みや腫れをおこします。
20160413f

アイシングと電気治療は、やめましょう

痛いからといって患部を冷やす(アイシング)のはやめましょう。炎症による痛みを一時的に軽減することはありますが、血行を阻害して治りを遅らせることになります。

オスグッドの痛みの原因は、太ももの前の筋肉の硬さです。冷やすことで筋肉はかえって硬くなります。同じ理由で、湿布の使用も控えます。

電気治療はほとんど効果がありません。強い刺激は却って症状を悪化させる可能性があります。また、オスグットの原因が筋肉の緊張ですので手術では治せません。
20160413

オスグッドを理解する治療院へ

サッカー・バスケット・バレーボール・野球は、膝を曲げたり、膝に体重をかけたりするので特に注意が必要です。膝下に痛みが出たら、しばらく運動を休みましょう。

成長軟骨が剥離していると、歩くだけでも痛みがあります。人によっては、衣服の布が膝下にあたるだけで激痛がはしるといいます。

運動を休むことで自然と治る子供もいますが、早く完治したいのであれば専門医による診断がよいでしょう。オスグッドを理解している治療院をインターネットなどで選びます。オスグッドの本当の原因を理解している・強い刺激の治療をしない・全身を診てくれるなどが、治療院選びの目安になるでしょう。

膝下の骨を押しても、全力で走っても痛くないところまでくれば、オスグッド病は完治したことになります。

▶︎医師が薦める「膝関節・スポーツ障害」の名医情報なら【名医ログ】

▶︎医師が薦める「整形外科」の名医情報なら【名医ログ】