今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『ハンドクリームとボディクリームの違い』をご紹介させて頂きます。

ネット上で大バトルを巻き起こしている「ハンドクリームVSボディクリーム」論争。多くの女性が「ボディクリームを手に塗ったらダメなの!?」「なんで値段が違うの!?」と悲痛な叫び声を上げています。
きょう、その議論に決着を付けます。この記事を読めば、一気に解決します。男性の方も読んでおいてください。職場や学校で女性たちがこの話題をしていたら、「ハンドクリームとボディクリームの違いはね…」とそっと教えてあげてください。一躍ヒーローになれますよ。

ハンドクリームとボディクリームの違いについて

結論から申し上げます。
結論①成分はほぼ同じ
結論②違いは量
結論③ハンドクリームを顔に塗るのはNG
結論④ボディクリームを手に塗るのはOK
結論③メーカーはコストを考えて作り分けている

では、詳しくみてみましょう。
ハンドクリームもボディクリームも「皮膚の保湿」を最大の目的としています。それで、2つの成分はほぼ同じになるのです。
それでもメーカーがハンドクリームとボディクリームを作り分けているのは、「手」と「全身」では皮膚の特徴が異なるからです。
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手の皮膚の特徴は「生活の中で布に覆われない」という点です。全身はほぼ24時間、服という布に守られていますが、手袋をずっと付けている人は少ないでしょう。
さらに手は、水や洗剤にさらされる機会が多いのです。そこでハンドクリームには、バリア機能の強化が求められます。つまり、ハンドクリームに含まれるバリア機能成分は、ボディクリームより多くなっているのです。

手のもう1つの特徴は、手の「センサー」はとても敏感だということです。手は、ある物体に触れただけで、その材質や硬さを認識します。そこでハンドクリームでは、テクスチャーを重視します。快適なテクスチャーを作り出すにはコストがかかりますが、手の面積は、全身の面積に比べて圧倒的に広くないので、コストをかけても問題がないのです。

ここで、男性になじみがない単語「テクスチャー」について簡単に解説します。「さわり心地」「付け心地」「質感」といった意味です。女性は体のあらゆる部位にさまざまなクリームを付けるので、製品を選ぶ際に「なめらかさ」や「脂っぽさ」や「さっぱり感」や「とろみ感」が重要なポイントになるのです。
男性が「この乳液、滑らかなテクスチャーだね」とか「はい、ノンオイリーなテクスチャーのクリームを買ってきたよ」と言ったら、女性の同僚や奥さんから一目置かれますよ。
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ハンドクリームとボディクリームは、テクスチャーが違う!

ではハンドクリームとボディクリームは、テクスチャーにどのような違いがあるのでしょうか。

ハンドクリームは、固めのテクスチャーになります。それは耐水性が求められるからです。皮膚にしっかりくっつき、水を跳ね返す機能を持たせようとすると、油分を多くして、粘土を高くする必要があります。

ボディクリームでは「伸び」が重視されます。「少量なのにいくらでも伸びる」といったテクスチャーの製品が多いです。油分は控えめな配合になっています。
もちろん、メーカーは、もっと細かくテクスチャーを設定しています。これはあくまで「平均的なテクスチャー」ととらえておいてください。
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フェイスクリームは・・・

実は、フェイスクリームも、ハンドクリームやボディクリームと成分的にはあまり変わりません。フェイスクリームは、最も刺激に注意したいので、保湿効果が高くても刺激が強い成分は控えられています。
また「顔面」は目や鼻、口など粘膜が多い部位ですので、メーカーにはより繊細な製品作りが求められます。なので、最も価格が高いです。
この3つを比較すると
(高級、高品質、高価格)フェイスクリーム>>>ハンドクリーム>ボディクリーム(コスト重視、低価格)
といったイメージです。
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成分については・・・

ハンドクリームに多く使われている成分は「グリセリン」です。人間の脂質と似た成分で、粘り気を持ち、吸湿性に優れています。軟膏にも含まれています。
「シアバター」は、植物由来なので人気が高い成分です。保湿効果が高く、ビタミンも多く含まれています。ただしコストが高いので、低価格のハンドクリームには含まれていないことがあります。

ボディクリームの成分でよく使われるのは、「さらさら油」の「オリーブ油」です。地中海沿岸の国では、オリーブ油をそのままボディクリームのように使っているくらい、メジャーな成分です。植物の種からとる「ホホバ油」が使われることも多いです。
次にボディクリームに多く使われているのは「セラミド」「コラーゲン」「ヒアルロン酸」です。3大保湿成分と呼ばれています。
ボディクリームの成分で特徴的なのは「尿素」です。尿素は皮膚や肌を柔らかくします。ボディクリームは、かかとやひじ、ひざといった厚い皮膚にも使われますので、尿素の機能は重宝されます。
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しかし尿素は、皮膚の角質を溶かして肌をすべすべにしているので、実はあまり多く使いたくない成分でもあるのです。
つまり、メーカーがハンドクリームとボディクリームを「作り分け」ているのは、尿素の成分調整によるところが大きいようです。
これもメーカーによってばらつきはありますが、ただ平均的には「尿素はハンドクリームには少なめ、ボディクリームには多め」に配合されています。

ですので、ボディクリームを顔に塗ることは避けた方がよいでしょう。

まとめますと、ハンドクリームとボディクリームの違いは、「原則同じ、微妙に違う」ということになります。