薬とアルコールの相互作用とは・・

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『薬とアルコールの相互作用』をご紹介させて頂きます。

薬をアルコールと一緒に飲んでいる人は少ないかもしれませんが、アルコールを飲んだ後に薬を飲まなければならないという状況に直面した方は少なくないのではないでしょうか。また酔っぱらった状態で薬を水で飲んでも良いのかと疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。

実はアルコールを飲んだ後、薬を服用することはとても危険なのです。
実際にアルコールを飲んだ後に薬を飲んだり、薬を飲んだ後にアルコールを飲んだりして、薬の効きの悪さや酔いが回る早さを体験された方もいると思いますが、それは医学的にも正しいことなのです。
薬によってアルコールの代謝に影響が出たり、アルコールによって薬の代謝に影響が出たりと、薬とアルコールは相互に作用し得るのです。
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薬→アルコールの作用

はじめに薬によるアルコール代謝への影響を考えていきます。

アルコールの代謝は肝臓で主に2つの酵素によって行われます。

1.肝細胞内においてアルコールはまずアルコール脱水素酵素(ADH)によって人体にとって有害なアルデヒドという物質に変換されます。

2.このアルデヒドはアルコール摂取時の顔が赤くなる現象にかかわっています。この他にも頭痛や吐き気、中毒症状などにもかかわっています。

3.アルデヒドはアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に変換されます。この酢酸はエネルギー源として最終的に代謝されます。

このようにアルコールは形を変えて代謝されていきます。

そして薬の中には、これらのアルコール代謝酵素を阻害するものがあるのです。
そうして代謝されなかったアルコールやアルデヒドが肝臓に蓄積することで人体に害となってくるのです。
アルコール脱水素酵素が阻害されるとアルコールの血中濃度が高くなり、アルデヒド脱水素酵素が阻害されるとアルデヒドが長時間体内に暴露し、頭痛、顔面紅潮、発汗、頻脈、動悸、悪心、嘔吐など様々な症状を引き起こします。
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アルコール→薬の作用

次にアルコールによる薬の代謝への影響を考えていきます。

薬もアルコールと同様に肝臓で代謝されますが、薬を飲んでから口や胃で消化され小腸で吸収されて血中に入り、肝臓で代謝されるまで薬はその効果を示します。

◆これがアルコールを常日頃多飲する方だと、上記で紹介したアルコール脱水素酵素とアルデヒド脱水素酵素以外の薬物代謝酵素(CYP)が多く誘導されているので、薬の代謝が促進されてしまいます。 これによって薬の効果は減ってしまうのです。

◆またアルコール常飲者でない方だと、飲酒後に薬を飲むことで薬物代謝阻害が起こります。これによって薬は体内に長時間とどまることになり、その効果が強くなってしまうのです。
このようにアルコールを常飲しているかどうかにかかわらず、アルコール摂取後に薬を飲むとその効果に影響が出てしまうのです。
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薬×アルコール=?

最後に薬とアルコールの人体への相加作用について考えます。

薬には様々な種類があり、その種類の中には、アルコールを飲むことで体に現れる症状とその効果が重なって、過剰に症状を引き起こしてしまうことがあります。

例を挙げると
糖尿病患者などが使用するインスリンとアルコールの組み合わせで、低血糖になってしまうことがあります。これはもともと血糖値を下げるインスリンの効果に加え、アルコールによって糖の補給が阻害され、かなり血糖値が下がることに起因します。
◆ほかにも解熱鎮痛剤としてバファリン等に入っているアスピリンもアルコールと一緒に摂取することで相加作用をきたします。アスピリンの血液凝固を抑える抗血小板作用とアルコールによる粘液障害が相加作用して、胃腸管出血を引き起こしてしまうのです。
以上から薬とアルコールを一緒に摂取することは非常に危険ということが分かります。
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じゃあどうすれば良いのか?

薬の代謝時間とアルコールの代謝時間を被らせないことが対策となってきます。
しかし、アルコールを飲んでから、また薬を飲んでからどのくらい時間が立ったら代謝が終了するかは一概に決めることはできません。それは人それぞれの酵素の活性に個人差があり、それに応じて代謝の時間も人それぞれ変わってくるからです。
それに加え、アルコールの摂取量や薬の量など様々な要因が代謝にはかかわってきます。
したがって薬とアルコールの摂取は完全に引き離して考えなければなりません。

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