今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『突然に命を奪う大動脈解離とは?』をご紹介させて頂きます。

芸能人が発症したり、交通事故の原因になったりと、何かと話題の「大動脈解離」。
コワイと思いながらも、今一つピンとこない方も多いのではないでしょうか?
突然死の危険もある大動脈解離を防ぐためには、動脈硬化と高血圧を予防することが大切です。
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大動脈解離とはどのような状態か

心臓から出た血液が最初に通るのが「胸部大動脈」です。
胸部大動脈はまず頭の方行に向かい、U字カーブを描いて足の方行に向かいます。
頭に向かう胸部大動脈を「上行大動脈」、足に向かう胸部大動脈を「下行大動脈」と言います。
大動脈が、みぞおちの下の横隔膜を通りぬけると腹部大動脈となります。

大動脈は、内側から「内膜」「中膜」「外膜」3層構造になっています。
内膜:薄くてやわらかい膜
中膜:平滑筋(へいかつきん)+弾力性のある繊維
外膜:薄いけれどやや丈夫な膜

大動脈解離とは、大動脈の内膜と中膜にひびが入り、中膜と外膜の間に血液が流れ込む状態です。
中膜と外膜が血液によって「はがされる」ので、「解離」というワケです。
大動脈解離の状態では、中膜と外膜の間に血液が入り込むので、もともとの大動脈より太くなる場合があります。
外膜が破れて血液がもれだすと、「大動脈破裂」になります。
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大動脈解離の原因と治療

大動脈解離では、とても強い痛み、耐えがたい激痛が起こります。
胸部大動脈のどの部分が裂けるかによって、痛む部位は胸、肩甲骨のまん中、背中などになります。
裂ける部位や裂ける大きさによっては、激痛と同時に意識を失ったり、突然の死亡につながったりします。

大動脈解離を起こす主な原因は、動脈硬化と高血圧です。
発症の多くは40歳~70歳で、女性よりも男性のほうが3倍多くなっています。

治療方法は、裂けた部位により異なります。
上行大動脈解離の場合は、緊急に手術が必要なケースもあり、裂けた部位に人工血管(ステント)を入れます。
下行大動脈解離の場合は、点滴注射により血圧を下げる治療をします。
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大動脈解離を起こさないためには

大動脈解離を防ぐためには、動脈硬化と高血圧の予防と治療が大切です。
この2つは、動脈が硬くなると血圧も高くなり、血圧が高いと動脈が硬くなるという密接な関係にあります。

①太りすぎを防ぐ

太めの体形でも問題はありませんが、適正体重をキープするように心がけましょう。
適正体重は、BMIの値を参考にするとよいでしょう。
BMIの計算式:体重kg÷(身長 m×身長 m)=BMI(18~25が適正値)
(例)身長165cm 体重70kg の場合 70kg÷(1.65m×1.65m)=25.71 となります。

体型がやせ形の人でも、血液中のコレステロール値が高い場合には、動脈硬化が起こっている可能性もありますので、注意が必要です。

②食べ過ぎを防ぐ

食事は、腹八分目を心がけましょう。
野菜をたくさん食べれば、食物繊維やビタミン類が摂れ、満腹感も得られて一石二鳥です。
食べてもなかなか満腹感が得られないというときは、たんぱく質が不足している場合もあります。
よく噛んで食べると脳に刺激を与えて、満腹感を得やすくなります。

③適度な運動

仕事で座っている時間が長い人は、意識して歩く距離を多くするように心がけましょう。
エレベーターなどを使わずに階段を使う、通勤時にひとつ手前の駅で降りて歩くなどすると、特別な運動をしなくても歩くことができます。

④自律神経を整える

自律神経が乱れると、心身の緊張が強くなり血圧が上がりやすくなります。
お風呂に入りゆっくり眠る、ストレスを溜めないようにするなどで、自律神経を整えましょう。
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まとめ

働き盛りの年齢や、第二の人生を踏み出す年齢に起こる、大動脈解離
日頃の生活習慣を見直して、突然死のリスクを減らしましょう。

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