梅毒感染が拡大!妊娠中なら胎児に悪影響!

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『梅毒感染』をご紹介させて頂きます。

前年比1.5倍、20代前半女性は3倍近い増加

昨年(2015年)10月、国立感染症研究所が発行する「IDWR(感染症週報)」に、梅毒感染の報告数が増加しているとの記事が掲載されました。梅毒感染者数が10月中旬現在で、一昨年(2014年)同時期の1.5倍にのぼるという内容が発表されたのです。

性別でみると、男性1463例・女性574例という報告数です。女性の症例数は男性にくらべて三分の一程度ですが、記事によると、前年比で男性が1.4倍に対して女性は2倍という増加傾向がみられます。特に20歳から24歳の女性は、前年比2.7倍と高い数字です。

近年急増、過去の病気ではない

かつて「不治の病」と恐れられた梅毒は、1929年ペニシリンが発見されて以降、現代では抗生物質治療で比較的簡単に完治します。そのため、感染症としてはあまり危険視されていないことが、近年の感染拡大に影響したとも考えられています。

特に若い世代は、予防・初期症状・対処法の知識が周知されていないといわれます。厚生省は、若者向けポスターを掲示するなどして、次のような啓発活動を強化しています。

・不特定多数の人との性行為はリスクが高い
・コンドームの適切使用が有効な防止策となる
・オーラルセックスやアナルセックスでも感染する
・完治後も終生免疫ができず、再感染の可能性がある

一度の性行為で、15~30%の感染確率!

梅毒は「梅毒トレポネーマ」という病原菌が、皮膚や粘膜から侵入し、血液に入って全身に広がる性感染症です。梅毒トレポネーマは、低温や乾燥に非常に弱く感染経路は限定され、大きく2つに分かれます。

(1)梅毒感染者との性行為、または類似の行為による感染
(2)梅毒感染している妊婦での胎児の胎盤感染による先天性梅毒

梅毒は、あらゆる性行為で感染すると考えてよいでしょう。一度の性行為で感染する確率は15~30%といわれ、非常に強い感染力があります。現在では、重篤な症状になることは稀ですが、発熱や全身のだるさなど日常生活が困難になるほどの症状がでる場合はあります。

妊婦検診は定期的に受ける

先天性梅毒は、梅毒に感染した妊婦から梅毒トレポネーマが胎盤を通じて胎児にうつり発症します。現在は、妊婦検診で妊娠初期に性感染症の検査をするため、先天性梅毒の新生児はほとんどいません。

もし梅毒と診断されると、死産や早産のリスクは高まりますが、適切な治療を受けることで胎児への感染を防ぐことは十分に可能です。

症状はゆっくり現れ、3週間後が目安

梅毒に感染したかどうかは通常、血液検査(抗体検査)で判断します。梅毒の潜伏期間は約3週間といわれ、その症状はゆっくりと現れるのが特徴です。ときには症状が一旦消えることがありますが、体内に病原体は残っています。抗菌薬で治療しないかぎり治ることはありません。
症状は経過した期間によって変わります。

・3週間後
唇・性器・肛門など感染した箇所にしこりが、股の付け根のリンパ節に腫れがみられます。この症状は痛みがないことが多く見過ごされがちです。

・3ヵ月後
治療しないままでいると、病原体が全身に広がり、手のひら・足の裏・体全体にうすく赤い発疹が出始めます。バラの花に似ているため「バラ疹」とよばれる発疹です。

・3年後
皮膚・筋肉などにゴムのような弾性をもつ腫瘍(ゴム腫)が発生します。心臓や脳などの臓器に異常が生じ、死亡に至ることもあります。現在では、医療の発達によって、ここまでの症状になる患者はほとんどいません。

感染が疑われる、思いあたるふしがある場合

感染が疑われる症状がみられたら、男性は泌尿器科・性病科・皮膚科、女性は産婦人科・皮膚科・性病科の医師に相談し、早期の診断・治療を受けることが大事です。

治療は抗生物質「ペニシリン」の服用が一般的です。感染拡大防止のため、完治まで性行為はひかえましょう。

また、症状はないが思い当たるふしがある人は、市販の検査キット(4000円程度)での検査確認をおすすめします。

参考:厚生省「梅毒に関するQ&A」

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