腸内フローラとは?

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『腸内フローラ』をご紹介させて頂きます。
とにかく大腸なんです。
健康、若さ、ダイエット、がん、これらの問題を考えるとき、必ず関係してくるのが、大腸なのです。これまでよく分かっていなかった大腸のことが、最近、たくさん分かってきました。

大腸の話で最も重要なキイワードは、「腸内フローラ」という言葉です。フローラは、「花畑」という意味です。大腸の中にどんな花が咲いているかというと、「細菌」です。
大腸の中には、3万種類の細菌が住んでいます。その総数は、数百兆個に及びます。大腸内では、細菌の種類ごとに住み分けができていて、その様子が「花畑」のようなので、こう命名されました。

■3つの細菌

大腸の細菌には、「善玉菌」と「悪玉菌」があることは、ご存じだと思います。これらに加えて、善玉菌でも悪玉菌でもない「日和見菌」という菌が存在します。この3つで数百兆個になるわけです。数百兆個の細菌の総重量は1~2kgもあります。人の体重のうち1~2kgは細菌なのです。

数百兆個の理想の比率は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7です。悪玉菌を完全にゼロにすることは難しいので、全体の1割以下にとどめることを健康目標にします。日和見菌は、腸内で善玉菌が優勢だと善玉菌のような動きをして、悪玉菌が優勢だと悪玉菌のような働きをするのです。

ただ、腸内フローラの研究者によると、「善玉菌多め」は、健康の絶対条件になりますが、すべて善玉菌だけになっても、良くないそうです。善玉菌20%が、理想の数値なのだそうです。

代表的な菌の名称を紹介します。
善玉菌:ビフィズス菌、乳酸桿菌、フェーカリス菌、アシドフィルス菌
悪玉菌:クロストリジウム、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、ベーヨネラ
日和見菌:大腸菌、バクテロイデス

ここまでが、腸内細菌の基礎知識となります。次に、「善玉菌はどれくらい良い仕事をするのか」「悪玉菌はどのような健康被害をもたらすのか」についてみてみます。

善玉菌の仕事

善玉菌の仕事は、主に5つあります。
①まずひとつめの仕事は、体内に侵入してきた病原体を排除することです。このパワーを「免疫力」といい、人のもつ免疫力の70%は、「腸内細菌」と、腸の表面にある「腸粘膜細胞」の2つが担っているのです。

②善玉菌の仕事その2は、ドーパミンとセロトニンを作ることです。ドーパミンは脳内で作用して、「気持ちいい」という感情を起こしたり、勉強や仕事への意欲を増やしたりします。逆に、事業が成功すると、ドーパミンの分泌が増えます。ホルモンの調整にも関与しています。
セロトニンは、自律神経やホルモンバランスを整えます。また、人がリラックスするときにも、セロトニンが働いています。
こうした性質を持つことから、ドーパミンとセロトニンは「幸せ物質」と呼ばれています。腸内細菌は、人の心をコントロールしているともいえるのです。

③善玉菌の仕事その3は、ビタミンB群や葉酸など、体に必要なものを作っています。
④その4は、消化です。人の体には食物繊維を消化する能力はありません。善玉菌が、食物細菌を消化しているのです。

⑤その5は、「美人」をつくることです。善玉菌は、良い睡眠をつくるホルモンである、メラトニンを作っています。さらに、メラトニンには抗酸化作用があるので、体の錆びを防止し、若返り効果が期待できます。良い睡眠と、若返り作用は、綺麗な肌をつくります。つまり善玉菌は美人を作るのです。

悪玉菌の悪事

次に「悪玉菌」の悪事を紹介します。
悪玉菌が活躍すると、免疫に異常が生じます。その結果、アトピー花粉症などのアレルギー反応を引き起こしやすくなります。免疫は、がんの発生にも関わっています。さらに、潰瘍性大腸炎や関節リウマチなどの自己免疫疾患も、腸内細菌が関与しているという研究結果があります。

同じ食べ物を、同じ量食べていても、「肥満」になりやすい人となりにくい人がいます。また、食事が大きく影響する病気「糖尿病」でも同様に、なりやすい人となりにくい人がいます。どうしてこのような違いが出てくるのか。
それは、腸内細菌が関与しているからです。悪玉菌が活躍している腸の人は、肥満になりやすかったり、糖尿病を発病しやすかったりすることが分かったのです。

悪玉菌は、腸内の物質を腐らせ、アンモニアやフェノールなどの有害物質を作り出してしまいます。くさいオナラは、こうした過程で発生します。これに便秘が重なると、腐敗物や有害物質が腸内に長くとどまることになり、腸が吸収してしまうのです。
腸が吸収した有害物質は、血液に溶け込みます。肝臓、心臓、腎臓といった、人の命を左右する超重要臓器は、大量の血液を出し入れしています。それで、「腸の問題」が「全身の問題」に発展してしまうのです。

高血圧、脂質異常症、そして骨粗鬆症にも、腸内細菌が関わっています。がんを含め、ほとんどの生活習慣病の発症に、腸内の細菌が関与しているのです。

そしてもうひとつの重大な健康被害は「こころ」です。
腸内フローラが乱れると、セロトニンという成分の分泌が減ることが分かっています。セロトニンは心の調子を維持する働きがあり、セロトニンが極端に減少すると、うつ病を発症します。認知症自閉症の患者も、悪玉菌が多い傾向が見られるといいます。

生活習慣病とは、いわば現代病です。現代病を引き起こすのは、現代の生活です。ということは、生活習慣病を引き起こしている腸内フローラの乱れは、現代の生活が起こしていると推測できます。

最大の原因は、善玉菌の「エサ」不足であると考えられています。善玉菌の好物は、野菜や豆類なのです。日本人1人当たりの野菜の年間消費量は、1985年の111kgに対し、1999年は103kgにまで減っています。食品添加物や、ストレスも、善玉菌を減らし、悪玉菌を増やしていると考えられています。

善玉菌の増やし方

それでは、どのようにして、善玉菌を増やしていったらよいのでしょうか。
それは「善玉菌といい付き合いをすること」です。人は、善玉菌に、「大腸」という住む場所を与えています。さらに、人が食べた食べ物は、善玉菌の「エサ」になっています。

人が善玉菌に「食と住」を提供する一方、善玉菌は酸を作り、腸内を酸性にして、悪玉菌が増えるのを抑えています。さらに、善玉菌は病原菌を排除したり、ビタミンB群を作ったりもしてくれます。
つまり、人と善玉菌は、持ちつ持たれつの関係にあります。善玉菌に活躍してもらうために、善玉菌の好物である野菜を多く摂りましょう。

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