今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『正しいダイエット』をご紹介させて頂きます。
みなさん、ダイエットしていますか。健康のため、美しさのため、ダイエットをしましょう。でも、正しいダイエットをしていますか。そうなんです。ダイエットには、正しいダイエットと、間違ったダイエットがあります。
正しいダイエットをすれば、健康になるし、美しくなれます。しかし間違ったダイエットをすると、病気になる危険がありますし、美しくなくなります。

ところが、正しいダイエットに取り組むことは意外に難しいのです。なぜなら、正しいダイエットは、存在が地味で、目に付きにくいからです。
一方で、間違ったダイエットは、すぐに流行になります。2兆円ともいわれる「ダイエット・マネー」に群がる人の中には、正しさとか健康に興味が薄く、「やせさせればいいんだろ」という考え方の人や、「とにかく目立つ方法」しか考えていない人たちが、少なからずいます。

ダイエット

そこでこの記事では、「あるところ」から発掘した、地味ながら、正しいダイエットの方法を紹介します。「あるところ」とは、実に意外な場所です。なんと、農林水産省のホームページなのです。
以下の解説は、農水省承認の「正しいダイエット」に、厚生労働省の資料を加えてお届けします。

間違ったダイエットの特徴とは・・

間違ったダイエットの特徴は「○○ダイエット」です。ある1つの事柄を強調して、「これに特化しなさい」という方式です。これについては、「間違ったダイエットの本場」であり、「最も医療が進んだ国」でもあるアメリカの国立衛生研究所が、次のように警鐘を鳴らしています。
「脂肪を燃やす食品はありません。カフェインを含む食品のいくつかは、少しの間、エネルギーの消費を速めるかもしれませんが、それでやせることはありません」

日本で実際にあった「○○ダイエット」による健康被害は、「白インゲン豆ダイエット」でした。ある民放テレビ番組が2006年、ダイエットのひとつとして、白インゲン豆を紹介しました。番組で紹介した調理法に従って白インゲン豆を食べた人が、嘔吐や下痢を引き起こしたのです。被害者数は、確認できただけで158人、うち30人が入院する事態になりました。
これには厚労省も、テレビ局名と番組名を公表するなど、厳しい処分をくだしました。

嘔吐と下痢の原因は、白インゲン豆に含まれる「レクチン」という成分でした。番組で紹介した方法では加熱が足りず、レクチンが残ってしまうのです。レクチンが食中毒を引き起こすことは、食品に携わる専門家であれば知っていなければならないのです。

ではなぜ白インゲン豆がヒューチャーされたかというと「α-アミラーゼ・インヒビター」という成分が含まれているからです。この成分はダイエット効果が証明されています。つまり、もし白インゲン豆でダイエットをするなら、α-アミラーゼ・インヒビターだけを摂って、レクチンは完全に除去する必要があるのです。
しかしその方法は現実的ではありません。

ちなみに厚労省は、「白インゲン豆は、通常の調理法を行えば、食品安全上、まったく問題ない。通常の調理法とは、水に十分浸してから、沸騰状態で柔らかくなるまで十分に煮ること」としています。要は、昔ながらの調理法を行ってください、ということですね。

ダイエット

また「信者」が多い「炭水化物を食べないダイエット」も、農水省は否定しています。その根拠は、炭水化物を避けるダイエットをする人は、肉やチーズ、バターなどの脂質を多く摂りがちだからです。脂質の摂り過ぎは、心臓の血管を詰まらせるなど、重大な病気を引き起こします。

正しいダイエットとは・・

さて、お待たせしました。農水省が推奨する、正しいダイエットを紹介します。ひと目で理解できるように、箇条書きにしました。

①医師や管理栄養士から、ダイエット指導を受けている人は、それに従う
②食べ過ぎ、飲み過ぎをしない
③1日3食、夕食軽め
④最低でも1日1万歩
⑤「食事を減らすだけダイエット」はNG
⑥下剤を使うのはもってのほか

いかがでしょうか。もしかしたら「へ? 普通じゃん」と思われたでしょうか。または、「役所だから、尖ったダイエット法は推奨できないのでは?」と疑ったでしょうか。
しかし、この6項目は、医学的、科学的な根拠があります。もっといえば、これ以外のダイエットは、「⑦」「⑧」と考えましょう。①~⑥を徹底的に実施し、その上で「面白そうなダイエット法」を試すのならOKです。でも、①~⑥を無視して、その他のダイエットをやることは、おすすめできません。

ダイエット

さて、ここでひとつ疑問が湧くと思います。どうしてこの究極の正しいダイエットが、それほど世間で知られていないか。それは、これを実行するのはとても大変だからです。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、ある人にとっては、①~⑥の完全実施は、人生を変えるにも等しい行為なのです。

ダイエットとは・・

ダイエットとは、「適正体重になるまで、体重を減らすこと」と考えられています。それは、間違っていませんが、100点でもありません。これだけでは、「いつからダイエットに取り組み、いつになった成功といえるのか」という視点が欠けているからです。

100点満点のダイエットの定義は「一生、適性体重を維持すること」なのです。
適正体重は、「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=25以下」です。つまり、身長160㎝の人であれば、「Xkg÷1.6÷1.6=25以下」ですので、「X=適性体重=64kg」となります。一生64kgを維持することが、ダイエットの究極の目標です。
適性体重は、がんの発症も、心臓病の発症も減らします。ダイエットは、長く健康に生きるための手段なのです。