子供の病気

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『子供の冬の病気』をご紹介させて頂きます。
子供は冬でも遊びまくります。元気なことは親御さんには頼もしいことですが、でも1つ注意してください。「冬は病気を拾いやすい」のです。ママとパパは、「子供の冬の病気」を知り、予防に努めてください。また、予防接種の注意点を4つ紹介しましたので、参考にしてください。

子供の冬の病気を知ろう

ノロウイルス感染症
ノロウイルスに感染することで、胃腸炎を引き起こす病気です。発熱や下痢、おう吐を引き起こします。悪化すると、脱水症状やけいれんを引き起こすことがあります。

保育園や小学校などで集団感染する危険があります。大人がノロウイルス感染症を引き起こすのは、保育園や小学校などで感染した子供から移されるケースが多いです。
子供が吐いた「吐しゃ物」を、素手で新聞紙を使って処理すると、簡単に感染してしまいます。マスクをして、プラスチック手袋を使って処理してください。処理した吐しゃ物をほかのごみと一緒にするのも危ないので避けてください。処理したときに着ていた服も、熱湯消毒などが必要です。

ロタウイルス感染症
ノロウイルスと一緒に説明されることが多いのは、ウイルス性の胃腸炎という点が共通しているからです。発熱、下痢、おう吐を引き起こすことも共通しています。

ロタウイルス感染症の特徴は、下痢の症状が、ノロよりはるかに重いことです。コレラ菌と混同された時代もあったくらいです。お米のとぎ汁のような白い液体状の便が、勢いよく出ることもあります。

溶連菌感染症
子供がうつされやすい感染症の3つ目が、溶連菌感染症です。特徴は、発疹がたくさん出ることです。ただ軽度の場合は、発疹はほとんど出ず、風邪と混同されることもあります。

流行する性質があるので、「近所で溶連菌感染症の患者さんが発生した」という情報を得たら、医者にかかったときに、その情報を伝えてください。そうすれば、医者の方でも「風邪でない可能性がある」と考えながら診察してくれるでしょう。

インフルエンザ
「子供の冬といえば」といった感のある病気ですね。高熱や頭痛を引き起こします。平熱が高い子供の場合、「高熱」のサインを見落としがちですが、「機嫌が悪い」ことや「元気がない」といった様子も、インフルエンザの「兆候」ですので、注意してください。

大人はインフルエンザを発症しても、数日から1週間程度で回復しますが、子供の場合、悪化させるとけいれんや、最悪、意識障害を引き起こします。
そうさせないためには、早めの受診、早めの診断、早めの治療が必要です。

RSウイルス感染症
子供を持たないと、あまりなじみがない病名ですが、実は1歳までの70%、2歳までにほぼ100%の子供が感染すると言われています。なので、新米ママ、新米パパはよく覚えておいてください。

症状は、発熱と、ぜいぜいする呼吸です。咳が多くなり、顔色も悪くなります。放置すると、呼吸困難になって救急車搬送され、入院という事態になりかねません。冬から秋にかけて、鼻がずるずるしている子供は、かなりの高い確率で、RSウイルスに感染しています。ただ、軽症で済む場合も多く、医者にかからず回復しているケースも珍しくありません。
ただ、治った後でも、しばらくして中耳炎になったり、喘息が悪化したりという「後遺症」が起きる場合があります。

◆風邪
もちろん、冬の子供の病気で忘れてならないのは、風邪です。子供が小さければ小さいほど、「たかが風邪、されど風邪」と考えてください。風邪を悪化させると、肺炎につながってしまうことがあります。耳だれや、聞こえが悪くなるといった、耳への障害も子供を苦しめることがあります。

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子供の病気の予防法を知ろう

うがいと手洗いは、原則であり、予防の王道です。これは、ママやパパが見本を示さないことには、子供に習慣化させることは難しいでしょう。

「0.1%濃度の次亜塩素酸ナトリウム」を準備しておくことも、重要です。秋の終わりごろに、空いたペットボトルの中に、1リットルほど作っておくとよいでしょう。もしノロロタの疑いがある場合、子供が触れたドアノブやトイレの便座、座った椅子などを、この液体で消毒してください。

子供が病気になったときは、使用済みのオムツは、ほかのゴミと一緒にしないでください。オムツひとつひとつをビニール袋で包み、密閉して捨ててください。また、子供の症状が治まっても、まだ便の中に細菌やウイルスが残っていることがあるので、しばらくは同様の処理をしてください。

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お風呂を出た後に使うタオルは、1人1枚が基本です。使いまわしはやめましょう。これだけで感染するリスクを大幅に減らすことができます。

予防接種の「い・ろ・は・に」

【い】ノロウイルスの予防接種はありません。ロタウイルスには予防接種があります。

【ろ】インフルエンザの予防接種の効果は、約6カ月です。なので、医師や病院は、秋の接種を呼びかけるのです。ただ、春や夏になってもインフルエンザにかかる人はいるので、冬でも接種する意味はあるでしょう。予防効果が現れるのは、ワクチン接種後、4週間程度かかります。

【は】都市伝説的に、ポリオなどはワクチン注射を打つより、実際に病気にかかってしまった方が、免疫効果が高まる――と信じている方がいます。「免疫効果が高まる」というのは正しいのですが、子供が感染症を発症した場合、症状が重くなり苦しい思いをしますし、重症化すると後遺症が残ることがあります。
なので、予防接種で防御した方がよいといえるでしょう。予防接種というと「予防」にしか効かないイメージがありますが、そうではありません。感染し発症してしまった場合でも、予防接種を受けた人の方が、受けない人より軽症で済む場合があるのです。

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【に】予防接種の注射ではアレルギー反応が出ることがあります。接種後は、30分はその医療機関のロビーなどで待機しましょう。
まれに1週間後にアレルギー反応が起きることがあります。これを遅延型アレルギーといいます。すぐに接種した医療機関に相談してください。

医者に伝えて!

ママやパパが、子供の病気を知ることの最大の意義は、医者が知りたい情報をゲットできる点にあります。そこで、観察ポイントを紹介します。

・発熱の経過。朝、昼、夕、寝る前に体温計で測定し記録する。
・これまでに受けた予防接種の情報。いつ、なんのワクチン?
・呼吸、おう吐、下痢、呼吸の症状
・前日に食べたもの
・子供の生活範囲。幼稚園? 公園?

こうした情報はメモ書きをして、そのまま医師に渡してください。こうすることによって、医師が、まれしか発症せず、見落としがちな病気を見つけることもできますし、不要な検査を受けなくても済む場合もあります。

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