今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『急性膀胱炎』をご紹介させて頂きます。

女性はかかりやすく、4人に1人が経験

一般的に「膀胱炎」と呼ばれる病気は、「急性膀胱炎」のことです。
急性膀胱炎は、疲れやストレスから発症することもありますが、ほとんどは細菌による感染であることをまずは知っておきましょう。

そして、とくに女性はかかりやすく、20代から40代の女性の4人に1人が、その初期症状を経験していると言われます。なかには、女性が生涯で一度はかかる病気として、急性膀胱炎を挙げる医師もいます。欧米には膀胱炎専門医が存在するくらいです。

デリケートな部分の悩みでありながら他人に相談しづらいため、ひとりで不安を感じている女性は多いようです。原因が細菌である以上、急性膀胱炎は薬の服用が必要です。内科や婦人科でも診察してくれますが、できれば泌尿器科の医師に相談してみましょう。

急性膀胱炎

膀胱炎の「まえぶれ」サインを気にしましょう

排尿時、下腹部や尿道口に違和感や不快感があるという状態が続くときは、急性膀胱炎の「まえぶれ」かもしれません。まずはいつもより水分を多くとり、その後の経過を観察しましょう。
自然に改善することもありますが、トイレの回数が多い(頻尿)、排尿が終わっても尿が残る気がする(残尿感)ときは、急性膀胱炎の疑いがあります。さらに次のような症状はありませんか。
・排尿の終わりにしみるような痛みがある(排尿痛)
・尿が白っぽく濁っている(尿混濁)
・尿に血がまじる(血尿)
これらは急性膀胱炎の代表的な症状です。細菌が膀胱のなかで繁殖し、炎症を起こしている状態のときにあらわれます。人によっては微熱が出るときもあります。こうなると自己診断は禁物です。医師に診てもらいましょう。
医師から「急性膀胱炎」と診断されると、抗生物質や抗菌剤を処方されます。ふつうなら、薬を服用して1週間ほどで症状は改善します。

急性膀胱炎

女性の「体の構造」と深い関わりがある

女性が膀胱炎にかかりやすいのは、体の構造と深く関係します。
男性にくらべて、尿道口と肛門が近く尿道が短いため、膀胱に細菌が侵入しやすく、膀胱が炎症を起こしやすいのです。
原因の80%は大腸菌の感染によるものです。ほかにもブドウ球菌や連鎖球菌などの場合があります。こうした細菌が尿道口から侵入して、膀胱に入り炎症を起こします。
ふだんなら、尿道口から細菌が侵入したとしても、排尿による洗浄作用によって菌が流されたり、膀胱の感染防御機構が働き、膀胱炎にはかかりません。ところが、疲労・ストレス・冷え性・風邪・妊娠・ダイエットなどで体の抵抗力が低下していると、菌が繁殖して急性膀胱炎を発症してしまうのです。

自己判断しないで!慢性化する場合も・・

急性膀胱炎は、クセになりやすく慢性化しやすい病気といわれます。
処方された抗菌薬を飲むとすぐに排尿痛がやわらぐケースが多いため、安心して薬の服用を止めてしまう人がいるようです。

急性膀胱炎

症状がやわらいでも、原因菌が完全に死滅していないことは考えられます。しばらくすると急性膀胱炎の症状が現れてしまい、それが慢性化する恐れもあります。けっして自己判断はせずに、医師から処方された薬はすべて飲みきりましょう。
また、一週間以上しても症状がおさまらない、一旦おさまってもすぐにまた痛くなるという人は別の病気が隠れている可能性も考えられます。膀胱にも結石・間質性・間質性膀胱炎、排尿障害などの病気があります。また婦人科系、消化器系の問題かもしれません。とにかく泌尿器科の再診をおすすめします。

自分でできる予防対策

急性膀胱炎にかからない、かかった場合でも再発しないために、ふだんから次のことに気をつけましょう。日常生活のなかの心がけで、膀胱炎は予防できます。
・トイレを我慢しすぎない
・いつも水分を多めにとる
・尿道口、外性器のまわりを清潔に保つ
・性行為のあとは早めに排尿する
・下半身を冷やさない
・疲労時や、風邪のひきはじめは休息をとる
・無理なダイエットはしない

「おかしい」と思ったら、早めに専門医に受診してください。

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