冬は、メンタルが危険?『季節性感情障害・冬季うつ』に要注意!

本記事の監修医師

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飯田橋メンタルクリニック
三宅 永 院長先生

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今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『季節性感情障害』をご紹介させて頂きます。

ある精神科医から、このように聞かされたとき、一瞬、不思議な感じがした。「病気が分かって喜ぶ人もいるんですよ」と言ったのだ。でも、その理由を聞くと、なるほどと納得した。
初めて精神疾患を患う人は、まず、「自分は異常だ」と思うそうだ。そして、そのつらさが続くと、今度は、「きっと誰でもこれくらいのことは経験しているんだ」と考える。さらに、「自分も我慢しなくちゃ」と決める。そうしているうちに症状が悪化し、精神科医の前に現れる。

病院の医者に症状を説明し、検査を受け、そして再び医者の前に座り「うつ病です」と言われる。そのとき患者は、「そうか、私は異常じゃなかったんだ」と、ほっとするのだそうだ。「私はもう我慢しなくていいんだ」「この医者が、そして薬が、私を助けてくれるんだ」そう思うことができて、喜ぶのだ。

季節性感情障害

季節性感情障害とは

冬になったときだけ、うつ病を発症する「季節性感情障害」という病気がある。
春になったらうきうきする、夏になったら活動的になる、秋になるとメランコリーになる、そして冬になったら落ち込む――このように、季節が人の心に作用することは、数百年前の詩にも描かれている。なのに、季節性感情障害の症状が、季節性感情障害という病気として認められるようになったのは、1980年代だそうだ。

この病気にかかった人は、1980年代まで、さぞつらかったろう。きっと、「なんだお前、こないだまで死にたい死にたいって言っていたのに、桜が咲いたらその笑顔かよ」といったようなことを言われ続けてきたのだ。

季節性感情障害の症状は、一般的なうつ病とかなり異なる。
抑うつ感よりも「倦怠感」が目立ち、「別に落ち込んではいないんだけど、朝、起き上がれない」といった訴えが多くある。

ただ、一般的なうつ病の場合、眠れなくなるのだが、季節性感情障害の場合、一日中眠気を感じることが多い。また、食欲が旺盛になるのも、一般的なうつ病にはあまりみられない現象だ。炭水化物や甘いものを無性に食べたくなる。しかし、運動量や活動量は落ちるので、体重が増えてしまう。

患者は、20代前半から30代後半の女性が多いという。女性の罹患率は、男性の3倍。子供や高齢者がかかることは少ないという。

赤道直下の国では、季節性感情障害の患者は少なく、霧が多いイギリスでは、100人に3人がこの病気にかかるという。そして、冬に起きる。こうしたことから、日光が関与していることが分かった。患者の多くが、日照時間が短くなることが原因で、体内時計が狂っていた。

季節性感情障害

季節性感情障害の治療法

季節性感情障害には、光療法という、あまり聞きなれない治療が有効だ。1万ルクスという強烈な人工の光を、2時間程度浴びることで、体内時計を正常に戻す。
軽症であれば、光療法は自宅でもできる。まず、朝起きたら、カーテンを開けて朝日をしっかり浴びることだ。曇りや雨の日の朝は、明るい照明を付け、朝食をとるとよい。

そのほかの治療では、うつ病治療で一般的に行われている認知行動療法がある。この治療ではまず、医師が面談方式で患者からヒヤリングをして、患者の弱点や強みを洗い出す。患者本人に「私とは」を認識してもらうためだ。その上で、医師と患者で、患者の当面の生活の方針を立てる、といった具合に進める。

治療では、抗うつ薬が処方されることもある。とにかく、不必要な我慢はしない方がよいだろう。「春になったら落ち着くしな」と思わずに、「また来年もこのつらさを味わう」ことがないよう、早めの受診をおすすめします。

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