異常な潔癖症は精神疾患かもしれません!

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『異常な潔癖症は精神疾患かもしれません』をご紹介させて頂きます。

テレビ番組のお笑いネタとして潔癖症が取り上げられることがあります。「仲間と食べる鍋料理が苦手」「シャンプーのヌルヌルが許せない」といったエピソードは、よく聞く話です。
ただ、異常な潔癖症は治療対象になる可能性があります。精神医学ではこれを「不潔恐怖症」と呼んでいます。「病院にかかった方がよいレベル」をみてみましょう。
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感染症にかかる!?

「笑い話で済む潔癖症」と「不潔恐怖症の可能性がある潔癖症」の違いを、鍋料理で説明してみます。鍋料理に「他人の唾液が鍋の中に入る可能性がある」というイメージを持ち「嫌だな」と感じつつも、人間関係を優先させて食べる人は、笑い話で済むレベルの潔癖症です。
一方、不潔恐怖症の人は、「人の唾液には不潔な物質が含まれていて、それが鍋の中で拡大し、それを食べると病気を発症する」とまで想像が膨らんでしまいます。

不潔恐怖症の人は、浴室で洗剤で全身を洗うだけでは気が済まず、風呂を出てから全身に消毒用のアルコールを吹き付けたりします。また「人の手に1度でも手に触れた」という理由で、寿司やハンバーグを絶対に食べない人も、不潔恐怖症に含まれます。

恐怖を取り除けない病気

不潔と感じること自体は、大切なことです。つまり、ひどい不潔は、毒になり、人の生命を脅かすからです。しかし一般の人は、「大丈夫な不潔」と「毒になる不潔」を見極めて、それ相応の対応ができるのです。

病気としての潔癖症のキイワードは、恐怖です。
一般の人が平気に鍋料理や寿司を食べられるのは、「仮に食材にばい菌が含まれていたとしても、体に備わっている抵抗力によって排除できる」と考えられるからです。つまり、鍋料理にも寿司にも恐怖を感じないのです。
または、当初は恐怖を感じていたとしても、合理的な説明を受けたり、ばい菌が含まれていないことの証拠を確認したりすることで恐怖を取り除くことができます。
しかし不安恐怖症の人は、どうしても恐怖を取り除けないのです。
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強迫観念がそうさせる

不潔恐怖症として潔癖症を放置すると、強迫性障害を発症します。
ちなみに「強迫」は「無理強い」という意味であり、「人を脅す」意味の「脅迫」とは異なります。
潔癖症以外の強迫性障害の症状としては、人を遠ざけたり、時計を数十秒おきに確認しないと気が済まなくなったりすることがあります。これは「私は人を攻撃してしまう」とか「私には記憶力が備わっていない」という強迫観念にとらわれているからです。
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潔癖症が増強される

不潔恐怖症としての潔癖症を引き起こす原因のひとつに、子供のころに受けた厳しいしつけがあります。もちろん「家に入ったらうがいと手洗いをしなさい」というしつけは、まったく問題ありません。
しかし過度なしつけをしてしまう親は、子供に恐怖心を植え付けて手洗いを習慣化させようとします。例えば、外の土や空気に含まれる雑菌を誇張して教えたり、「そうした雑菌が体内に蓄積すると簡単に死んでしまう」といった間違った知識を教えたりすることです。
しつけでは、親の想いが強調されて子供に伝わるので、親自身は「笑い話で済む程度の潔癖症」だったとしても、子供は「不潔恐怖症としての潔癖症」に悪化してしまう可能性があります。

また、「だれだれちゃんちは不潔だから泊まってはダメ」と外泊を禁じたり、「プールに大量の塩素をまくのは、それだけ危ない細菌がいる証拠」と注意してプールに行かせなかったりするのも、子供が過度に反応してしまう恐れがあります。
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認知行動療法とは

不潔恐怖症としての潔癖症には、きちんとした治療法があります。そのひとつが認知行動療法です。この治療の目標は「偏った考え方を修正すること」です。
例えば、「電車の中は他人の唾だらけだから乗ることができない」という患者がいたとします。認知行動療法ではまず、行動を1つ1つ分析します。例えば、
駅のホームにいるときは人ごみがあっても「平気」
乗客数が3人以下であれば「我慢できる」
座席に座っているときに隣の人と接触すると「冷や汗が出る」
といったことが細かく分かります。その上で苦手な行為を排除すると、通常の生活に近い行動ができるようになるわけです。
治療の効果が出てくると、荒療治も試します。満員電車でもひと駅分の乗車なら我慢できるようになったら、ふた駅分の乗車に挑戦します。こうして越えられる壁と越えられない壁を確定し、越えられない壁に極力遠ざける生活方法を見つけるのです。

まとめ

潔癖症は治ります。自分が「変かも」と思ったら、精神科にかかってください。また、周囲の人に異常に潔癖な人がいたら、治すことができるということを伝えてあげてください。

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