今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『自家感作性皮膚炎』をご紹介させて頂きます。

小さな湿疹が、やがて全身に広がる病気

皮膚炎は、症状が軽かったり、湿疹の範囲が小さかったりすると、つい治療をあと回しにしがちです。治療せずに放置していると、湿疹が湿疹を呼び、やがて全身に広がる病気があります。

自家感作性皮膚炎は、体の一部にジクジクした強い皮膚炎ができたあと、7~10日後に離れたほかの部分に、もとの湿疹と同じような発疹がたくさんあらわれる皮膚病です。手足の末端に多くあらわれ、体幹や顔面にも広がる散布疹で、ほぼ左右対称に出現するのが特徴です。

発疹は2~5ミリほどの紅斑(赤み)・丘疹(炎症による小さな盛り上がり)・膿疱(膿みのたまった腫物)です。

夜も眠れないほどの強い痒みをともないます。さらに、掻きむしると新たな散布疹が出現します。丘疹や散布疹が融合して、大きな水ぶくれになることもあります。 散布疹が広がり、治療に3〜6ヶ月かかることがあります。発熱や倦怠感が生じることもあります。
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治療しなかったり、こじらせたりで発症

自家感作性皮膚炎は、湿疹やかぶれなどの皮膚炎を治療しなかったり、間違った治療によってこじらせたりした場合に発症します。

湿疹の患部で変性した皮膚たんぱくが抗原(病原体)となり、全身がこのたんぱくに感作されることでアレルギー反応が起こり、湿疹が全身に広がると考えられています。

おおもとの皮膚炎が引き金となって起こる病気です。おおもとの皮膚炎が悪化したと勘違いされることが多く、そのまま正しくない治療をつづけ、「自家感作性皮膚炎」と診断されたときにはかなり症状が悪化してしまった、というケースが多くあるようです。
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おおもとを完治されることが大切

これまで経験したことのないような、強めの皮膚炎があらわれたときは、皮膚科を受診し、はっきりとした診断を受けることが大切です。

おおもとの皮膚炎と散布疹には、副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用薬を塗って炎症をやわらげます。強い痒みを抑えるために、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服薬を用います。ジクジクした発疹には、亜鉛華単軟膏を布に伸ばし、重ねて貼ると効果的です。
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おおもとが治れば、全身の発疹も消える

原因である、おおもとの皮膚炎を完治されることが大切です。おおもとの皮膚炎が治ると、全身の発疹も消えてゆきます。

外用薬や内服薬は、使用して症状が軽くなるとつい使用を中断してしまいがちです。症状が完治するまではきちんと塗り続ける・飲み続けることが大事です。
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