つい先日の話ですが、医学部出身で現在は糖尿病専門医である友人と話す機会がありました。友人とはいえ同じ医療人、やはり話題は患者さんの健康のことになります。そして、あらためて歯科の仕事というのは本当に重要であることを再認識したのです。
最近は、医科と歯科の連携も進んでおり、例えば、歯周病患者の場合、糖尿病を悪化させやすいことや、歯の周囲にある血管から心臓病の原因となる物質が入り込みやすいなど、様々な病気のリスクが高まる、という研究が数多く報告されるようになりました。
「クオリティ・オブ・ライフ」や「健康寿命」という言葉を最近よく聞かれるかもしれません。つまり、寝たきりや、介護を必要とせず、最期まで元気なまま暮らせることの価値が重要視され始めているのです。
その要となっているのが「しっかり噛めること」なのです。歩行中の転倒(寝たきりの原因となる)リスクや、床ずれになるリスクなども、しっかり噛めることで低減することが可能です。寝たきりや認知症を歯科医師が予防できることが研究によって裏付けられるようになってきました。
私の30年以上に及ぶ歯科医師としての経験からも、しっかり噛める人はいつまでも健康で元気、ということが数多くの患者さんに見られます。
私は、患者さんが痛いと訴える虫歯を削るだけの治療ではなく、お口全体を見て、しっかり噛めているか、歯並びはどうか、将来どのように変化していくか、などいわゆる「全顎的」な、広い視野、長い時間軸での治療を心がけています。治療技術の良し悪しというのは、なかなか判断がつきにくいものかもしれませんが、患者さんが一生涯健康で元気で暮らすことができれば、その治療は良い治療だった、と判断できると思います。1人ひとりの患者さんが、いつまでもしっかり噛めること、を治療の目標とし、そのために必要な技術や医療機器を取り入れることで、守口の皆さまの健康を支えてくることができた、そこに歯科医師としてのやりがいを感じています。