虫歯や歯周病は、糖尿病、脳卒中、高血圧など、生活習慣がその病気に大きく関与している「生活習慣病」の一つであると現在は捉えられています。
決して誰でもかかる病気ではなく、そういった生活をしてきた人のみがかかる「生活由来性疾患」なのです。虫歯や歯周病にならないようにするためには、砂糖を控えたり歯をよく磨くのはとても大切なことですが、それらを含めて
健全な生活習慣を獲得することが何よりも重要なことであるといえるでしょう。そして、もし虫歯や歯周病にかかっても、その治療の経過で健康な生活習慣を獲得することができれば、その後に発病するかもしれない生活習慣病(成人病)・慢性疾患を未然に防ぐことも可能なのです。
ですから虫歯ができたら、歯周病になったら、自分の生活を見直すチャンスであるともいえるのです。歯科疾患にかかったならば、まずはその原因を除去し、ひ いては健全な生活習慣を獲得しようではありませんか。当医院は、そのような患者さんの手助けができるように一歩一日努力していきたいと考えています。
■予約制について
当院では、
予約診療制をとらせていただいており、予約の患者さんを優先いたしますので初めての方はお待たせする場合がございます。できるだけご予約をおとりになってからご来院ください(急患はこの限りではありません)。
また、予約は時間のみでなく内容の予約でもあります。ドクター・スタッフが処置にあわせて常にスタンバイしていますので、できるだけキャンセルのないようにお願いします。
なお、ご予約は電話
03(3629)4338またはメール:
ishitani.418@cyber.ocn.ne.jpにて承ります。
メールの方はお名前、電話番号、ご希望予約日、お口の状態などをお知らせ下さい。折り返しこちらからご連絡差しあげます。
■予防について
「歯には寿命があると思っている方、歯が痛くなってから歯医者にかかるという方が非常に多いように思われます。昔から俗に『歳をとれば歯と目と性器が衰える』とも言われてきましたが、歯については実はそうではありません。若い頃からきちんとしたケアを行っていれば、一生自分の歯で噛むことも十分可能なのです。それには
『まず予防』です。以前は『早期発見・早期治療』がよい歯医者の条件とされていましたが、現在では
『早期発見・早期予防』と言われています。当医院では予防治療に特に力を入れています。
■診療内容について
当院の診療の基本は
『できるだけ削らず、神経をとらず、抜かない』です(もちろん例外もあります)。
【歯周病治療】
■予防処置
歯周病・虫歯にかかわらず、罹ってしまったら「まず予防」することが重要なのは、重ねてご説明したとおりです。歯ブラシ指導、歯石の除去などの予防処置は一般に「初期治療」と言われています。読んで字のごとく治療の初期に行う行為ですが、これは「再発の防止」という別の大きな目的も持っています。従って、この「初期治療」をおろそかにしては、その後のどんな治療法も有効になり得ません。
歯周病が進行して歯周ポケットが6mm以上ある方でも、歯周組織の反応のよい方は予防処置のみで治療が可能な場合もあります。まずはご相談下さい。
■外科処置
歯周病の初期治療が終わってもなお、歯周ポケットが存在する場合が少なくありません。歯周ポケットが深い場合はポケット内の歯石が取りきれていなかった り、歯の周りの骨が部分的に溶けていたりするのです。そのような場合は歯周外科処置をお勧めします。歯周外科により病的な歯肉と歯石を完全に取り除き、凸凹になった歯槽骨を整えることで歯周病の完全な治癒を目指し、ひいてはメインテナンスしやすくするのです。術後の腫れや痛みはそれほど気になるものではありません。
また、最近マスコミ等でも大きく取り上げられ、当医院でも症例が増えているのが「歯周組織再生療法」です。これは従来の外科処置では難しかった、失われた歯周組織(骨など)を再生しようとする目的の処置法です。下記の症例をご覧ください。
【歯周形成外科】
歯周組織の問題は歯周ポケットや歯槽骨の喪失だけではありません。日本人の多くは歯肉が薄く、また その下の骨(歯槽骨)も薄い人が多いといわれています。実際臨床の現場で観察すると、確かにそのような傾向が見られます。そのような人はちょっとしたこと で歯肉が下がりやすく、一度下がった歯肉は元通りになることはありません。これらは見た目が悪いといった審美的な問題だけでなく、冷たいものがしみる、虫歯になりやすいなど機能的な問題も抱えています。また、口蓋に見られる比較的硬い歯肉(「角化歯肉」といいます)は熱や硬い食物に対して抵抗性を持っています。角化歯肉は歯の周りにも見られますが、それが元々少ない人もいます。これらは必ず障害になるわけではありませんが、歯ブラシで傷が付きやすく痛くて歯が磨きづらいなど、間接的な問題となることがあります。
これら歯肉-歯槽粘膜の問題を解決する方法が「歯周形成外科」です。角化歯肉はないところにいきなり増やすことはできません。1)周りの角化歯肉を少しずつ寄せるか、2)豊富にある部分(多くは口蓋)から移植するか、です。また、差し歯など被せて治す場合も、角化歯肉が多い方が少ない場合に比べて予後がよいとされています。当医院ではこれらの問題のある箇所に積極的に形成外科を行っているわけではありませんが、患者さんからのニーズが多様化した現在ではそれらに応えられるようにしていこうと思っています。
【インプラント治療】
残念ながら歯を失ってしまった場合、その本数が少なければ両隣の歯を削ってブリッジという方法も採 れますが、多くの歯を失った場合は義歯もしくはインプラント(人工歯根)が適用されます。またブリッジの場合、健康な歯を大きく削らなくてはならない場合 もあり、そのような場合にもインプラント治療を選択した方がよい場合が多いです。
当医院で用いているインプラントはアストラテックと いい、全世界で多くのシェアを占めているシステムの一つです。インプラント治療にはその手術の回数により「1回法」と「2回法」に分けられますが、アスト ラテックはそのどちらにも対応が可能です(基本は「2回法」です)。治療期間ですが3〜8ヶ月程度を要しますので、その点はご留意ください。インプラント治療は失った歯が蘇ったような感覚であり、確かに何でも噛めるようになる満足度の高い治療法ですが、歯が失った原因をそのままにしておけばインプラントも天然の歯と同様悪くなります。イ ンプラント自体はチタン製ですので決して虫歯になることはありませんが、歯周病と似たような症状になることはありますので、術後の管理は天然の歯以上に重 要となります。くれぐれも油断せぬよう!ちなみに日本ではインプラント専門医の数がまだ少なく、多くの歯科医院で普通に行われていますが、アメリカではインプラント治療は歯周病専門医が行う場合が一般的です。