診療時間外
マイナ対応

医療法人社団健永いずみ会
岩瀬クリニック

0
ブログ

2011年東北関東大震災、気仙沼日記(6月29日17時11分)

2011年6月29日17時11分~:


4)インドネシア大統領と空いた風呂

前回の気仙沼出向の際、気仙沼市民会館にインドネシア大統領が来訪した。前日は会館職員おおわらわで、避難者たちも心なしかそわそわしていた。普段していない掃除や片付けに明け暮れ、忙しい一日であった。当日は朝から、眼光の鋭いインドネシア人SPが登場し、緊張感が漂い、すこぶる居心地が悪い。早朝の診療を終えて気仙沼市民会館を飛び出し、大統領を見ない方針とした。この間、流されなかった開業医を回って挨拶をしたり山の方に登ってぼんやり考え事をしたり、有意義な時間を過ごした。午後1時半ごろ市民会館に戻ると大統領が帰ったと思われたが、インドネシアの物々しげな大きな車が何台も停まっており、交通整理や多くのマスコミ達がたむろしていた。私の車を駐車場に入れる前に、ずいぶんと苦労した。人ごみの嫌いな私は、仕方なく自衛隊のお風呂に入った。日頃、避難者で異常に混雑している風呂のテントの中には、二人ほど入浴者がいるのみで、とても空いていた。うれしくなって何回も体を洗い、湯づかれするほど長居をした。とても幸せ。『大統領ありがとう』と言っておこう。風呂を出ると、通常の気仙沼市民会館に戻っていた。興味も無いが、念のため大統領のことをみんなに聞くと、『普通の人だよ』、何か話した?『一言も話さなかった』、誰か話したの?『ご婦人が自国語で何か話していたよ』、日本語話さなかったの?『ぜーんぜん』、過去被災した国の大統領にしてはずいぶんとあっさりしたものだ。何をしに来たのか、私には理解できない。でも空いたお風呂を『ありがとう!』