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医療法人社団健永いずみ会
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2011年東北関東大震災、気仙沼日記(4月7日4時)

2011年4月7日(木)午前4時:

本日の昼過ぎに気仙沼をあとにする。
あっという間の5日間だった。この間で小石川医師会の近藤先生が手を上げて
4月11日から17日まで繋いで下さる事が唯一の喜びだった。震災後3週間経過して流石にやけど、外傷などの患者さんは来ない。今は建物倒壊によるほこりと寒さで、咳喘息、鼻炎、上気道炎がほとんどだ。被災者はビニールシートを張っただけの床に毛布を敷いての生活をもう一ヶ月近く続けており限界が近付いていると思う。裏の中学校で仮設住宅を建築中だが、見に行くと、はかどっているとは到底思えない。復興に向けて何が必要なのだろう。 お金?マンパワー? その両方であろう。私は政治に興味がないので、ただお願いするだけ。政治家の皆様には、被災者一人ひとりを親であり子であると思ってお仕事をしてほしい。私はあくまでゲンバ! それがしたくて医師を目指したのだから、今この瞬間、私は幸せなのかもしれない。
しかし、毎秒接する患者さんを幸せにすることが出来ないのがとても不幸だ。
せめてこの惨状を見て、天災の恐ろしさを感じて、戦争や殺人などという人がひとをあやめるようなことが如何にバカバカしい事かを、一人ひとりが心底自覚する世の中になることを祈るばかりだ。
5時になった。今日もいつもどおり8時から医療救護班カンファ、薬の調達だが、昼間手伝ってくださっている旭川医大のメンバーが全員変わるのでその申し送りがある。私達も昼には出るので、本当はどちらか一日伸ばして残ると良いとは思うが、大きな病院はスタッフがギリギリでやっているので仕方ないと思う。私も母校、出身外科の主任教授にお願したところ、いろいろ奔走してくださったが、人手不足で無理だった。ただ、教授は私のように自分の意思で行動できることが羨ましいと言われた。本当にその通りだ。現場主義の私にとっては、どんなに小さくても城持大名が一番だ。開業医の先生が休診にして、職員にお願いして被災地に連れ立って来ることはそれ程大変なことでは無い様に思うのだが、いかがだろうか?私の周りには第二、第三弾の同行者が目白押しだ。まあいろいろ事情がある人が多いとは思うが、被災地支援の必要性に対する個々の考え方があるのだろう。私は人を下から見ることが好きだ。自虐ネタでひとを笑わせるのが好きだ。ひとりでも多くの人と、肌で触れ合う助け合いをしたい。飲み仲間に愚痴を聞いてもらい、飲み仲間の愚痴を聞きたい。
今回の二人に休んで頂き、別の2人を連れ立って5月1日から岩瀬チーム
第二陣が気仙沼に向かう。

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本日記は下記にて2011年4月2日より随時更新中です。
【記】
1)医療法人社団 健永いずみ会 岩瀬クリニックHP  http://www.hospita.jp/890/ 
2)母校 学校法人 日本医科大学HP http://home.nms.ac.jp/ 
  東日本大震災における本学卒業生の救援活動について 
3)母校 駒場東邦中学校、高等学校HP http://www.komabajh.toho-u.ac.jp/