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1969年1月19日、日本人が方向転換した日

人生には大きな節目が何ヵ所かある。母親の胎内から外へ出て自身で呼吸を始める出生の時。2歩の足で歩き始める時。陰毛が生え、異性の存在にドキッとする思春期。種保存の役目を終える閉経。そして次世代にバトンを渡す死の時。
 これらは生物学的な転換点だ。しかし、ヒトにはこの他に価値観、生き方を変える心理学的な転換点もある。刎頸の友や恩師との出会い、身近な人の死、信じていた者からの裏切りなど。
 こういった個人的な出来事の他に民族としての精神性を大きく変える転換点もある。1867年11月9日の大政奉還、1945年8月15日の玉音放送などである。昨年の3月11日もまた我々日本人の生き方に大きな影響を与える転換記念日として将来語り続けられるであろう。3月11日のような広域災害ではなく、東京のほんの一画で起きた出来事ではあるが、私たち日本人の生き方を大きく転換した出来事がある。

 43年前(1969年)の1月19日、全共闘によって封鎖されていた東大安田講堂が機動隊の猛攻によって陥落した。団塊の世代の成長とともに高まった学生運動は、この日を境に急速に退潮の一途を辿ることになる。
 その後の日本の復興、発展の牽引車となり、今日本の社会保障費を食いつぶす厄介な存在として疎まれている団塊の世代はその日を迎えるまでの数年間、己の内に漲る力を実感して行動していた。
 当時の彼らを突き動かした熱病のようなあのエネルギーは何だったのだろう。その根底は、ベトナム戦争が作りだす多くの犠牲者への同情。その犠牲の上に平和を謳歌し利を貪る体制に対する義憤であった。他人の痛みを己の痛みと感じ、その痛みを取り除くために行動することが正義で、寄らば大樹の陰と日和見することが軽蔑される風潮が築かれていった。加えて、自分たちの行動で世の中を変革できるという楽観的な希望もあった。
 言い換えれば、多くの若者が「義を見てせざるは勇無きなり」と、侠客・義侠気取りで生きていたとも言える。彼らは大学の象徴である東大安田講堂を梁山泊に擬し、「命は鴻毛より軽し、命より名を惜しむ」との心意気で国家権力の象徴である機動隊に立ち向かった
がしかし、その結果は散々なものに終わった。期待が大きかっただけに落胆も大きかった。心底無力感を味わった彼らの多くは青春の一ページを見事に破り捨て、その後は反動的な生き方を選んだ。その人生哲学とは「君子危うきに近寄らず」。

他人の痛みから目をそらし、弱い者いじめを憚らない現在の嫌な風潮を生んだのは若かりし頃、弱者に涙し、社会正義の実現を声高に叫んだはずの彼らなのではないだろうか。
私を含めて、団塊の世代の諸君はあの日を記念日として忘れてはいけない。そして今一度若き日の志を思い出して欲しい。そうでなければ、本当に私たちはこれからの日本にとって単なる厄介者になってしまう。
生きるということは呼吸することではなく、行為することなのだから。

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