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今再び大本営

 今年も66回目の終戦記念日を迎えた。毎年この頃になると第二次世界大戦にまつわるドキュメンタリー放送を目にすることになる。物心ついてから50年以上、ポツダム宣言受諾を告げる天皇の詔勅、広島、長崎への原爆投下、真珠湾攻撃などの場面を繰り返し見せられてきた。
 戦時中の国内の様子を伝える一連の報道を見ていると、必ず耳にするのが「大本営発表」という文言だ。ラジオから現在の北朝鮮国営放送のアナウンサーとそっくりの、もったいぶった口調で「大本営発表、我が帝国陸軍は・・・・・」という声が流れる。
 大本営とは日清戦争から大東和戦争にかけての戦時中あるいは事変中に設置された大日本帝国陸軍および海軍の最高統帥機関である。最高統帥権を持つ天皇陛下の命令(奉勅命令)を大本営命令(大本営陸軍部命令、大本営海軍部命令)として発令する、最高司令部としての機能を持っていた。
 組織の実態は天皇、参謀総長、軍令部総長・参謀次長・軍令部次長・参謀本部第1部長(作戦部長)・軍令部第1部長・参謀本部作戦課長・軍令部作戦課長であり、内閣総理大臣や外務大臣などの文官は構成メンバーではなかった。陸軍大臣と海軍大臣は会議に列席するものの発言権はなかった。
 ここから発せられる大本営発表は天皇の認める発表だから、一片の疑義を差し挟むことのできない国民への公式メッセージと言える。ところが先ほど示した組織から分かる通り、実態は文民統制をはずれた軍の組織であるから、軍の思惑に沿った情報操作がなされた。軍に都合の悪い情報は隠蔽され、軍を賛美する情報が捏造されたのだ。
 昭和18年に入り、ニューギア、ガダルカナル島での壊滅的敗戦、山本五十六の戦死など、戦線に暗雲が立ち込めてからの大本営発表は、さながら嘘で塗り固められた雪達磨であった。軍部の暴走を統制すべき立法府は大連立である大政翼賛会の一党独裁となっていたために機能不全であった。マスコミ(新聞)も軍部の圧力によって監視機能を失い大本営発表を唯唯諾諾と流し続けた。
 大がせねたである大本営発表を国民はどう受け取ったのであろう。インターネットが発達した現在と違って、他の情報源がほとんどなかったのだから、多くの国民は真に受けたのではないだろうか。それでも、次第に生活物資が欠乏し、周囲に名誉の戦死がるいるいと築かれていけば、眉に唾する動きも出てきたに違いない。しかし、人間とは悲惨な将来像からは目を背けたいものだ。大本営発表が事実そのものではないと感じつつも、自ら受け入れたのだと推察する。こうして、私たち国民が沖縄玉砕、広島・長崎大虐殺に至るまで、「天皇陛下万歳」と叫びながら大量の若者を戦場へ送り込んでいった。
 
 私は東日本大震災以来、毎日、気象庁の地震情報と文部科学省の環境放射線情報に目を通している。最近、環境放射能水準値にいやな動きがある。漸減して一定の値を推移していた放射能値がここ10日ほど不規則な上昇値を示している。今、福島原発で何か起きているに違いないと考えている。
 ところが、政府はおろかマスコミもこの放射能の不安定な動きには何ら言及していない。考えてみれば、福島原発事故の発生当初から、その詳細を報じた新聞、テレビは一つもなく、深刻なその実態は外国のメディアの方が事細かに報じていた。日本国民は「知らぬは亭主ばかりなり」を地で行く間抜けな存在であった。
 重大事故が明らかになった後も、普段は人の寝室にまで押し掛けて強引な取材をする連中が、枝野官房長官と東電の会見、遠巻きに何キロも離れた地点からの映像を流すばかり。決死の現場ルポを試みる者は一社もなかった。最近に至っては事故現場の状況すら報じず、ダメ菅に振り回される我欲の亡者たちの政局ばかり垂れ流している。
 要らぬパニックを引き起こさぬよう、ある程度の情報の取捨選択は必要であろう、しかし国民が自己責任で行動するために必要な情報を時々刻々と提供することは国およびマスコミの存在を問われるべき責務ではなかろうか。

 高濃度放射能汚染地域およびその住民に対する今後の対応についての政府見解は全くなされていない。除染という言葉に甘い幻想を抱かせているが、除染はごく限られた部分について可能な手段である。
ところが、東京都に匹敵するような広大な地域を除染することなど物理的に不可能なことは火を見るより明らかである。なぜならば、河畔や山林の方が小学校のグランウンドなどよりもはるかに汚染度が高い。住民が恒久的に安全に暮らしていける環境を提供するとなれば、広大な地域のすべての表土を削り、さらには一木一草すべて根こそぎ剥ぎ取らなければならない。はたしてそんなことができるのだろうか。
経済的な問題だけではなく、発生する膨大な汚染物をどこに保管すればよいのか。さらには、そういった問題をクリアしたとして、草も木もない丸裸の土地に果して人が住めるのであろうか。
国民の生命を重んじるならば結局、高濃度汚染地域は数十年間立ち入り禁止区域とし、そこに住む住民を移住させる以外に方法はない。狭い国土の我が国で、この移住政策は困難を極めると思う。しかし、遠い将来の我が国を考えたならば、どれほど不興を買い、一時的な国力低下を招いたとしても、苦渋の決断をしなければならない。敗戦が明らかになった当時の日本と同じように。
不都合な決断は、その時期が遅れれば遅れるほど多くの犠牲者を出すことは先の戦争で十分に学んだはずである。
政府が大本営化し、立法府は大政翼賛会へと舵を切りつつある。マスコミも暴力的な弾圧を受けているわけでもないのに機能停止。まさに「いつか来た道」なのだ。我が国がこのまま同じ轍を踏むならば、その先は破滅への道しかないだろう。

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