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軽挙妄動を慎みましょう

 ちょうどめまいと不安を主訴としている初診の患者さんを診ている時でした。その女性の顔が曇りました。「おや?私もめまいかな?」と思っているとやがて身体が左右にゆすられてはっきり地震だと気付きました。
 もともと不安が強い方ですから、みるみると顔色が真っ青になっていきます。一気に突き上げる縦揺れで始まったのではなく、微振動が徐々に増大していく長周期の揺れであったので、私はとっさに震源が遠いと判断しました。中越地震の時の体験から、患者さんに「大きい地震だけど震源は遠いから心配ないですよ。もうすぐに止みます。」と言いながら笑って見せました。
 ところが、私いい加減な気休めとは裏腹に揺れはどんどん大きくなります。私も少しやばいかなと思い始めました。揺れは収まるどころか、キャスター付きの椅子が動き出すほどの揺れになり、棚の上から物が落下し始めました。「この机の下に隠れなさい」と患者さんを避難させて書棚が倒れないように支えながら揺れが収まるのをじっと待ちました。収まってから確かめると診察室だけではなく、事務室でも幾つもの物品が散乱しました。
 私のクリニックはビルの一階にあります。それでこの被害ですから高層ビルの上階の揺れはどれほどだろうか、いや何よりも震源近くの被害は想像を絶するものであろうと直感しました。この嫌な勘は不幸なことに現実のものとなってしまいました。

東日本大震災の第一弾は三陸沖を震源とするマグニチュード9.0。なんと我が国で地震観測が始まって以来、最大の超巨大地震でした。世界的に見ても1960年のチリ地震(M9.5)、1964年のアラスカ地震(M9.2)、2004年のスマトラ沖地震(M9.1)に次ぐ史上4番目のエネルギーをもっていました。
 しかもその後立て続けに福島県沖、茨城県沖と巨大地震が相次ぎ、結果として、500kmに及ぶプレート境界面が幅200kmにわたってずれたのです。このように隣りあったプレート境界面の連続破断は、これまで我が国でもっとも警戒していた東海・東南海・南海地震のモデルです。それが今回は予想していなかった東北地方の太平洋プレート・米プレート境界面で起きたのです。しかも東海地震で想定していたよりもはるかに大きなエネルギーで。
 今のところ死者は千人規模との報告です。しかし、もっとも被害の大きな地域からは被害状況が入ってきません。今後そういった地域の被害状況が明らかになれば、最終的な死者は数万人に上るのではないかと私は懸念しています。
もうひとつ世界中が心配していることが、原子力発電所の原子炉破壊の成り行きです。福島原発の複数の原子炉がチェルノブイリ化した場合、東北、北関東は完全に壊滅します。しかし、関係者が懸命の復旧処置をしていますのでチェルノブイリのような炉心融解・爆発には至らないと希望的予測をしています。
しかし、原発の炉心爆発を免れたとしても、これまでの地震・津波の侵襲によるものだけでも、その経済的な被害は想像もできません。もうパンク寸前の財政でどこまで復興できるかこちらも大いに憂慮されるところです。
 地震の科学的考察や被害状況、さらには原発事故そのものについては、私などが解説することはおこがましいと言えます。それぞれの専門家がもっと詳しく、正しい説明をしているので、そちらをご覧ください。

 さて、首都圏は相当な揺れを体験したものの、運よく大規模な災害にならずに済みました。テレビで現地の被害状況を観て、可哀そうにと感じられるだけの余裕があります。ですから、首都圏に住む私たちが今しなければならないことは、物質的な援助もさることながら、まずは自己中心的にならずに日本国民として助け合いの精神で動くことです。
 それにもかかわらず、すでにスーパーマーケット、コンビニの棚から食品を始め多くの生活物資が消えてしまいました。ガソリンスタンドは給油のための車で長蛇の列ができて、多くのスタンドが売り切れになってしまいました。
 オイルショックの時のトイレットペーパー買い占めの再現です。どうして私たちはこうも愚かなのでしょうか。一定の食糧を備蓄したいという思いは理解できます。しかし、今の現象をみると必要以上の物資を買い貯めているとしか思えません。車のガソリンをいくら満タンにしても、本当の大規模災害が起きた際には道路は車での移動はできなくなります。全く意味のない買い貯めであるばかりでなく、身近に引火・爆発物を作っているようなもので防災上、逆効果です。
 政府が呼びかけているにも関わらず節電への協力姿勢がみられないのも悲しい限りです。首都圏で使う電気の大半は首都圏以外の地域で発電されています。今回問題となっている福島原発もその一つです。こういった発電所が少なからず稼働停止を余儀なくされている現在、首都圏は今電気の供給において危機にひんしています。それにもかかわらず、パチンコ屋は相変わらず煌煌と照明を続けています。家電量販店は無数の展示品の電源を入れています。
 もっとひどい奴もいます。物価が高騰するのを予想して買い占めを行っている悪徳商人です。
 今生きている私たちは本当に運がよかったのです。ありがたいという気持ちを忘れず謙虚な生活を心がけましょう。自己中心的な軽挙妄動は厳に慎まなければなりません。

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