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モンスターエイリアン


SF映画に登場するエイリアンは地球および地球内生命体に対に対する態度から、地友好的なエイリアンと敵対的なエイリアンに2分される。
「ET」に登場するエイリアンは前者だし、「エイリアン」のそれはまさに後者だ。だが総じて後者、攻撃的、破壊的な異形のモンスターエイリアンの方が多い。
彼らの目的の多くは、地球を支配して私たち生命体も含めた地球資源を奪取することにあるようだ。自分たちの母星の資源を使い果たして、遠く宇宙の果てに資源を求めに来たと言うストーリーが多い。
したがって、自分たちに必要な資源をむさぼりつくして地球に利用価値がなくなると、再び新たな資源を求めて地球を離れていく。生物も鉱物も取り尽されたもぬけの空の星か、あるいは跡形もなく粉々に破壊されてしまい、宇宙を漂う塵しか残らない。
 
道路、橋梁、上下水道など社会インフラの老朽化が叫ばれて久しい。ある研究者の試算によると今後50年ほどの間に我が国の既存の社会インフラの維持管理のために190兆円もかかると言う。
以前のコラムにも書いたが、私は豊島区医師会館の建て替えの担当者になった時に、建物は建ったその時から老朽化が始まると言うことを痛切に思い知った。会館を立て直すための原資である積み立てが全くなされていなかったために大変苦労したからだ。
だが、先輩方が前会館を建設された時、立派な鉄筋コンクリートの建造物を前にして、いずれこの建物も老朽化して立て直さなければならなくなるということを思いつかなかったとしても、それを責めるわけにはいかない。なにせ我々は素人なのだから。
立派な建造物に関する素人の関心は、それが建ち上がるまでの過程に向かいがちである。建ってからの維持管理や老朽化した後の立て直しや解体のことには思い至らない。
だが、実際には一つの建造物が出来上がるということは、それ以降、その建設費と同等以上の費用が発生するのだ。つまり、何かを建設するということは、それ以降何十年にもわたって金を食い続ける装置を作り出すということに他ならないことを明記すべきなのだ。
本四連絡橋建設時、そのために本四連絡橋公団が設立された。当時私はこの公団の幹部職員相手に講演をしたことがある。講演後の雑談で一人の幹部に「この公団は橋が出来上がったら解散してしまうのですか」と聞いた。すると、その男はニヤッと笑って「そんなことはありません。橋の運営、維持管理のために建設の時と同じくらいの仕事がずうっと続くんですよ」と答えた。
彼らはこうして自分たちの新たな給料の源を増やしていくのだ。しかも、その莫大な費用は既存の設備につぎはぎしたり、壊したりするだけで、新しい何かを生み出すわけではない。
だから、大きな箱モノは半永久的に金をつぎ込んでも欠かせないものに限って作る必要がある。一般市民はともかく政治家や官僚は当然その覚悟で臨んでいるはずなのだが、本四連絡橋は別として、利用者のいない公共建設物は後を絶たない。
2020年の東京オリンピックに向けて、曰くつきの国立競技場をはじめ、またぞろ多くの巨大建築物が作られる。オリンピック目当ての巨大ホテルも乱立する。
東京オリンピックは確かに当時の日本の敗戦からの復興にとって必要なイベントであった。空襲で焼け野原になった東京に近代的インフラを整備していく上で、恰好の起爆剤になったことは間違いない。
あの時は人口もぐんぐん右肩上がりに増えていて、オリンピックを機に作られた建設物はその後も有効に使われてきたからだ。
だが、今後急速な人口減が確定している我が国にとって、東京オリンピックは必要なのだろうか。そして、オリンピックのどさくさに作られる箱モノに明るい将来のビジョンはあるのだろうか。オリンピック景気は一時のものである。祭りの後の寂しさ。こういった建築物がどれだけ重い負担として残されるか、今の政治家や官僚は責任を取る気はあるのだろうか。
資源を食いつぶし、なおかつ将来に莫大な負の遺産を作る愚行は我が国に限ったことではない。消費社会の先駆者であるアメリカのインフラはすでにあらゆるところで老朽化して手の施しようがなくなっている。
遅ればせながら成り上がってきた中国のきちがいじみた建設ラッシュは、経済がモラルに追いつかないこともあって、建設時から危険な代物が少なくない。数十年後にどんな姿に変わり果てるか考えただけで恐ろしい。
ドバイで代表される産油国も現代のバベルの塔の建設にしのぎを削っている。彼らの懐の頼みの綱の原油が近い将来枯渇することは確定している。原油が無くなった後、あんな馬鹿げた建物をどうやって維持管理するつもりなのだろう。
 
後先考えずに資源をむさぼりつくして、将来の廃墟を乱造する人類。一部の人間たちは、新たな資源を確保するべく地球外への移住を真面目に考えているようだ。
こうしてみるとモンスターエイリアンは宇宙のかなたから来襲してくるのではなく、我々人類こそがモンスターエイリアンなのかもしれない。
 

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