医療法人社団求林会 クリニック西川 のブログ

公式情報
休日診療対応
専門医在籍
ブログ公開中

平等と公平

私たち戦後っ子(いつの間にか爺だが)は、GHQ指導の下にレールを敷かれた義務教育の中で「民主主義」と同じくらい「平等主義」を教え込まれた。その代表が男女平等。戦前は中世以来の男尊女卑の思想が根強く支配しており、故市川房枝さんらの婦人参政権運動にもかかわらず、女性には選挙権がなかった。
 だが実は、戦前の制度では女性に参政権は与えられていないものの、これと引き換えに徴兵対象ではなかった。古代ギリシャ以来、参政権と徴兵制とは表裏一体のものと考えられており、単純に女性蔑視と言うわけではなく、男女の役割を分けていた側面もある。
 女性への参政権の付与は戦前の封建制打破の象徴とされた。マッカーサーの占領政策の柱の一つが、女性に参政権を与えて、日本女性を解放するというものであったことがこの事をよく表している。このようにして「平等」と言う言葉は戦前の封建的な社会からの脱却、差別撤廃の標語としてあらゆる分野で多用された。
 平等主義の結果、日本人は幸せになっただろうか。確かに、女性の政治への参加や義務教育の普及など、多くの日本国民を幸せに導いた部分は大きい。しかし、行き過ぎた平等主義がかえって不公平と言う不幸せを生んでいる側面もあるように思える。

 「平等」と「公平」はどう違うのだろう。「平等」は同義の言葉を二つ並べた熟語で「同じである」と言う意味。これに対して「公平」とは「おおやけ」と言う意味の漢字に「同じ」と言う意味の「平」がつけられている。したがってその意味は「おおやけに同じ扱いをする」と言う意味になる。
  また、「公」は「公正」の公でもあるので、「正義に反しない」と言う意味も含んでいるように思う。だから、「公平な審判」とは言うが「平等な審判」と言う使い方はしない。
 「平等」と「公平」との違いを具体的に理解するための好例を見つけた。
  4名で手分け一つの仕事をしたとする。報酬は全部で10000円。Aは4時間、Bは3時間、Cは2時間、Dは1時間作業をした。10000円の報酬を「平等」に分けるとすれば全員が2500円を受け取ることになる。しかし、労働時間に対して「公平」に分配するとすればAに4000円、Bに3000円、Cに2000円、Dに1000円渡すことになる。
 
 私が昔務めていたA病院のスタッフ夫妻は男女平等と言うことで、生まれたばかりの赤ちゃんの哺乳まで交代で行っていた。つまり、夜中3時間ごとに交代で起きて、授乳するというもの。しかし、乳児にとってみればいくら頑張ったって父親から与えられる粉ミルクよりは母親の暖かい乳房から母乳を飲ませてもらう方がよいに決まっている。
 男と女はあらゆる点で生物学的に異なった生き物である。男はどう頑張ったって子供を産むことはできない。一方、筋力で女は男にかなわない。もともと男女は平等に作られてはいないのだ。それぞれの特徴を生かして役割分担するように作られているのだ。その性質の違いを無視して同じ仕事をすることが果たして公平と言えるだろうか。言えるはずがない。
  男女間の本当の意味の差別の解消のためには、男女平等という言葉よりは男女同格と言った方が適切だったと考える。
 共産主義国家が崩壊した大きな原因も行き過ぎた平等主義にある。働く者も働かない者も平等であるならば、努力するものが減り、国力が衰退するのは自明の理であった。
 
 目指すべきは、性質や状態にかかわりなく同じように扱う「平等」ではなく、性質や状態の違いに配慮して結果が同等になるように扱う「公平」なのではないだろうか。
 しかし、一言に「公平」の実現と言っても、実際にはなかなか困難である。先ほどの4名による分担作業の話にしても、賃金の4:3:2:1の分配が公平と言えるのは、4人の作業能率が等しいと仮定した場合に言えることなのだ。もし4人の能力に差があるとすれば、この分配方法も公平とは言えない。作業時間が長かったAの作業能率が低くて、Dはとても能力が高い結果、Aが4時かかる仕事をDが1時間で済ませてしまったとしたら。4:3:2:1の分配は極めて不公平と言える。
 さらに、努力した分だけ報われる公平さを求めた資本主義経済が看過することができないほどの格差社会を生んだ事実を見れば、この公平基準もまた不完全なものと思われる。
つまり、あらゆる意味で厳密な公平を実現することは非常に難しく、神に委ねるしかないのかもしれない。

クリニック西川の近隣の医療機関

  • 東京都豊島区南大塚2-41-9 坂本ビル1F
    (距離:90m)
    内科、皮膚科、泌尿器科、性病科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科
  • 東京都豊島区南大塚1丁目53-1
    (距離:92m)
    内科、外科、胃腸科、皮膚科、性病科、リハビリテーション科
  • 東京都豊島区南大塚1丁目51-1 百瀬ビル1F
    (距離:158m)
    内科、外科、胃腸科、肛門科
  • 東京都豊島区南大塚3丁目45-5 サンユースビル1F
    (距離:180m)
    内科、アレルギー科、心療内科、一般歯科
  • 東京都豊島区北大塚2丁目13-1 BA07-5F
    (距離:204m)
    内科、アレルギー科、小児科、耳鼻咽喉科、一般歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、漢方内科
  • 東京都豊島区南大塚3丁目34-6 南大塚エースビル401
    (距離:204m)
    内科、精神科、皮膚科
  • 東京都豊島区北大塚2丁目13-1 BA07ビル7F
    (距離:204m)
    神経内科、婦人科、産婦人科
  • 東京都豊島区北大塚2丁目27-3 大塚メディカルビル地下1階~2階
    (距離:205m)
    内科、消化器科、皮膚科、肛門科

他の条件で医療機関を探す

最近閲覧した病院

医療機関の方へ

当サイトではお電話での対応を行っておりません。掲載についてのご連絡等は以下のページをご参照ください。
《掲載情報についてのご注意》

掲載の医療機関情報は、ティーペック株式会社および株式会社イーエックス・パートナーズが独自に収集、調査を行ったものを基に構築しております。出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、掲載内容を完全に保証するものではありません。掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に利用者の方々にて必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。当サービスによって生じた損害について、ティーペック株式会社及び株式会社イーエックス・パートナーズではその賠償の責任を一切負わないものとします。
※お電話での対応は行っておりません

必ずご確認下さい
病気や症状に関するご相談や各医療機関への個別のお問い合わせなどは受け付けておりませんので、あらかじめご了承ください。