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ロボットが意識を持てるか?

私の毋校、麻布中学の今年の理科の入学試験問題が話題になっている。自由表記問題で、「ドラえもんがいくらすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか?」という問題だ。突拍子もない設問に賛否両論が巻き起こった。だが卒業生の私からすれば、いかにも麻布らしいと感じる。
今から50年以上前になる私の入学試験でも、とてもユニークな課題が出された。人数は不確かだが、おそらく横一列に5名並ばされたように記憶している。その前の床には4つの○が記されている。試験官の「はい」という合図で、その丸の位置に進む。当然一人あぶれる。残った4名の前にはまた3つの丸印。ここでまた1名脱落。要するに椅子取りゲームの変形版だ。
 試験の要領を説明された時、小学生なりに一生懸命試験官の意図を推量した。単純に勝てばよいのだろうか。むしろ他人を押しのけて勝った者は落とされるのではないだろうか。いや、やはり鈍い者を落とすのだろう。などと詮索してみたものの、いざ「よーいどん」と合図をされると本能的に頑張ってしまう。結果、運よく私は勝ち残れた。
椅子取りゲームに負けたものが落とされたのかどうかは定かではないが、クラスメートになった連中に後から聞いてみると、私の周りには勝ち残った者が多かった。
未だにこのテストの出題者の真意は分からないのだが、この年になって改めて考えてみるに、多分、それぞれがどう自分の個性を活かして課題を遂行するかという、総合的な能力を見ていたのではないだろうか、と考えている。
つまり、体の大きな者はその大きさを利用して周囲を撥ね飛ばせばよい。一方、私のように体の小さな者は、競争率の低い端の円を狙ったり、先生の合図の癖をつかんでフライイングすれすれに飛び出す工夫をする。要するに、いかに個々の特性を活かして課題を遂行するかを見ていたのではないだろうか。
しかし、合格した者にとっては笑い話ですむが、椅子取りゲームで弾き出されて不合格となった子はさぞや納得がいかなかっただろう。そんなわけで、ドラえもんの問題を聴いて、さもありなんと思ったのである。
麻布学園というと開成や灘高などと並んで、東大進学率を云々されるが、私の知る麻布の誇るべくは進学率ではなく、ひたすらに自由を尊重する校風である。だから、卒業生も優秀というよりは、よく言えばユニーク、悪く言えば変わり者が多い。

さて、ドラえもんの問題は、細胞の分裂機能や生殖機能、さらには細胞の代謝について論ずるのが無難だろう。しかしドラえもんの持つ、とてつもない能力を考えると、そういった答えも安易に正解とは言えないかもしれない。生物とは、ロボットとはという、根本的な問題にまで発展する可能性がある。その理由は。最近の生物工学の分野における著しい進歩があるからだ。

一例を挙げてみよう。高等生物の持つ高次機能、「意識」についてさまざまな角度から研究が進められている。こういった研究の中で、ロボットにごく簡単なセンサーと命令を与えるだけで、あらかじめプログラムしていなかった複雑な行動を、あたかも意図をもって行ったかのように行わさせることに成功している。
また、ヒトの脊髄に似せた情報処理回路と、触覚、擬似的な大脳皮質、伸張反射などのプログラムを組み込んだ赤ちゃんの体を模したロボットは、自発的に寝返りや「這い這い」を始めた。
  つまり、感覚と運動が相互に影響し合うことによって、全体的な行動が生まれ、その行動がまた、個々の感覚や運動に影響を与える。こういう過程の繰り返しによって「意識」が発生するのではないかと考える工学者がいる。
  日頃、高等生物の「意識」を対象にしている私からみると、ロボットのそういった動きを「意識」と結びつけるのは早計の感を否めない。しかし、複雑怪奇な「意識」をただ難しいと言って溜め息をついているだけでは埒が明かない。「意識」というと暗黒大陸の踏破には、ロボットの疑似自発行動研究のような新しい視点からの研究の積み重ねも重要なのかもしれない。
  ドラえもんは生物ではないかもしれないが、少なくともしっかりとした「意識」だけは持っている。ドラえもんの問題は考えれば考えるほど難問に思えてくる。

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