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名医の値段

金正日の死を悲しんだのは北朝鮮の一部特権階級の人だけではなかったようだ。アイルランドの最大手ブックメーカー、paddypowerが「世界はゴルフ界の伝説を失った」と題するツイートを発した。北朝鮮の発表によれば、金正日はタイガーウッズなど足元にも及ばない史上最高のゴルファーだからだ。
1994年、52歳の金正日は平壌ゴルフ場(7700ヤード、パー72)で生涯一度のゴルフをした。その時のスコアがなんと38アンダーの34。全18ホール中11ホールでホールインワン。それ以外のホールでも最低でもバーディーという、まさに人間離れしたスコアを叩きだしたという。ほらもここまで非現実的だとかえって本人の名を貶めてしまう。
金正日レジェンドまではいかないが、身近でも似たような話を聞いた。腕前も、周囲からの評判も良くないゴルファーがホールインワンを達成した。本人に会ったら「おめでとう」と声をかけるのが普通だが、皆の口から出た言葉は「嘘だろう?」だった。
さらには、ホールインワンの現場に立ち会ったキャディーさんまでが「ホントなの?」と聞かれる始末。キャディーさんが「ほんとですよ。この目で見たし、1万円の御祝儀だっていただきましたから。」と言ってもまだ、「御祝儀貰ったからホールインワンになっちゃったんじゃないの?」。日頃からの信用がいかに大切かを思い知らされるエピソードだ。
この方のホールインワンは間違いなく本物だろうが、キャディーと同伴者に金を払って得るホールインワンもないことはないらしい。地位を得て財をなすと、権力や財力で本業以外の分野においても名誉を得たいと思うのが人の常なのだろう。

先日、医療関連の出版・広告業者から、5ページに及ぶ広告ファックスが届いた。そもそも、何の断りもなしに、こちらの紙を使って一方的にファックスを送りつける広告方法自体、甚だ不愉快だが、内容を読んで不愉快が怒りに変わった。
内容はこうだ。週刊朝日増刊号「女性のためのいい病院2013」を8月上旬に発売予定。この中で「女性のためのうつ病治療」と題する広告を企画したので募集するというものだ。
料金は、モノクロディスプレイだと28mm×90mm:70,000円、58mm×90mm:140,000円、58mm×180mm:280,000円、1ページ:700,000円。モノクロ記事体では1/4ページ:200,000円、1/2ページ:400,000円、1ページ:800,000円。さらに、「Top Interview/日本の名医」と称して、カラーの記事体で名医として紹介するコーナーを設けている。1ページの記事だと1,300,000円、見開き2ページだと1,900,000円となっている。
小さな囲み広告はよいだろうが、1ページの記事体の広告となると、広告ではなく記事と見誤る読者が出てくるだろう。「Top Interview/日本の名医」に至っては言語道断。880円払って当該誌を購入した読者に対して意図的に誤った情報を与えるものだ。
名医の明確な基準はない。しかし、一般的に実績があり、その医師の治療を受けた多くの人から優れた医師と思われる人を指すものと考えられる。200万円近い金を払える人という意味でないことだけは確かである。
金正日の偉大な伝説はギャグで済ませられる。金で買うホールインワンも社会的な被害はありそうにない。しかし、医療に関する情報は人の命にかかわる。記事と広告は明瞭に見分けられるようにしなければならない。この記事広告を誤解して、期待していた医療を受けることができない人に対して週刊朝日はどのように責任をとるのだろう。

実はこのテーマを書くのはこれで3回目だ。きっかけはいずれも週刊朝日増刊号。天下の朝日新聞がいつまでこんな詐欺まがいの広告記事を続けるのだろう。朝日の品格を疑う。一方、金で名医を買う医師も、プロフェッション*たる医師の誇りを失ったものと言わざるを得ない。
8月に発売される週刊朝日増刊号「女性のためのいい病院」を読むときは、見開き2ページの記事まがいの広告に登場する医師は、けっして本当の名医ではない。名医と呼ばれたいという強い願望を持ち、なおかつ190万円の広告料を支払うことができる医師と解釈されるとよいだろう。
並はずれた技量を持ち合わせないうえに、どちらの条件も満たすことができない私は一生「名医」の称号とは無縁のようだ。
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*プロフェッション:学識に裏付けられ、それ自身一定の基礎理論を持った特殊な技能を、特殊な教育または訓練によって習得し、それに基づいて、不特定多数の市民の中から任意に呈示された個々の依頼者の具体的要求に応じて、具体的奉仕活動を行ない、よって社会全体の利益のために尽くす職業。一般の職業よりも高い公益性、倫理観が求められる。具体的には聖職者、医師、弁護士、建築士がプロフェッションと呼ばれる。つい最近まではプロフェッションは広告が認められなかった。

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