口腔がんについて
舌や頬の内側、歯肉などに発生する口腔がん患者が増えています。
50歳以上が患者の約8割を占め、日本では毎年7000人がかかり、死亡者は同3000人以上といわれています。
<口腔がんの種類と概要>
■舌がん
ほとんどは舌の側面や裏側にでき、粘膜の表面に症状(赤くなったり、白くなったり、凹凸や潰瘍ができる)が表れ、触ると粘膜の下に固まりや厚みがある。
■頬粘膜がん
頬の内側の粘膜にでき、かんだり傷つけたりした覚えがないのに症状が表れ、触ると粘膜の下に固まりや厚みがある。
■歯肉がん
上下の歯肉にでき、粘膜に症状が表れる。歯がぐらぐらしたり、腫れたりすることもある。歯ぐきの裏側にできることも多い。
■口蓋がん
上あごの天井部分にでき、傷つけた覚えがないのに、症状が表れる。
■口底がん
下あごの歯ぐきの内側と舌の間の部分にでき、粘膜に症状が表れる。アルコールとの関係が深いといわれる。
<発症の原因>
- 喫煙や飲酒
- 虫歯や歯並びの悪い部分などがいつも頬の内側に当たるなど慢性的な機械的刺激
- 辛い・熱いといった食事の刺激
- ウィルス感染
- 加齢
<早期発見が大事>
口腔がんは痛みがないことも多いために気づかず、進行しているケースが少なくありません。こうなると、放射線や抗がん剤などを組み合わせた治療が必要になってきますので、早期発見が重要になります。
■口腔がんのセルフチェック
- 明るいところで鏡を用意。(入れ歯があれば外す)
- 唇を上や下に引っ張って、唇の内側や前歯の歯肉を見る
- 頭を後ろにそらし、上あごの天井部分を見る
- 左右それぞれの頬を外へ引っ張り、頬の内側や上下の奥歯の歯肉を見る
- 舌を出し、表側だけでなく側面、裏面も見る
■注意ポイント
- 粘膜にできた凹凸や潰瘍
- 粘膜が赤くなったり、白くなったりした部分
- 口内炎のような症状が2週間以上続く場合や、サイズが1センチ以上で痛くない場合
- 粘膜の下に固まりや厚みがある
- かみづらい感じ、頬や舌を動かしづらい感じ
- 舌などのしびれやまひ
- 歯肉からの出血
- 首のリンパ節の腫れが3週間以上続く場合
※昭和大学歯科病院口腔外科情報サイト「口腔がん.com」参照
http://www.koukuugan.jp/
疑わしい症状があっても、最終的にがんかどうか自分では判断しにくいので、セルフチェックで気になる点があれば口腔外科などを訪れ相談してみましょう。
※4月27日(金)日本経済新聞夕刊「らいふぷらす」記事参照