手術について
当院では基本的に痔疾患の手術をデイサージェリーで行っております。内痔核の手術も3度あるいは4度の物も外来で手術を行っております。またナースを助手として行うことを原則として行っております。当院での痔核手術を供覧したいと。
■麻酔法は仙骨硬膜外麻酔です。
1.5%のカルボカインを10ml使用します。
1mlのテストドーズの後1分間経過観察、残りを2mlずつゆっくりと注入し10~15分ほど待ちます。
体位はジャックナイフ体位・ストレッチャーを活用しております。
■症例は中等度の内痔核です。
三輪式改良型の肛門鏡を挿入します。
これで視野が確保できさらに出来上がりの状態もこれ以上狭くなることが無いよう行うことができます。
■痔核を引き出し、皮下にキシロカインEを注射します。
■紡錘形の皮膚ドレナージ創を作成するように切開を加えます。
■痔核の切除は多少切り込んでいくように、クッション部分をとりすぎないように行います。
■歯状線から1から1.5cmほどの高さまで切除をすすめ根部結紮を行います。3-0Vicrylを使用しております。以前は2-0cat gut を使用しておりましたが創部のし開が早い時期に起きてしまうようなのでvicrylに変更いたしました。創部の止血を行い、粘膜断端を根部に近いところから結節縫合で行います。
■この際一部括約筋にかけてしっかりと固定してしまいます。疼痛も懸念されましたが術後の痛みはあまり変わらないようです。
■3から4針縫縮した後ドレナージ部分の断端も括約筋に軽く固定します。その際多少中に引き込むようにするとスキンタグの形成の予防になります。
■痔核の大きさの程度によっては根部にマックギブニーを使用して輪ゴム結紮を追加します。
■さらに根部結紮の高位にvicryl を用いて一針追加結紮を行います。
■痔核を切除いたします。
■同様の操作を繰り返し3カ所あれば3カ所痔核切除をおこないます。
■鎮痛剤の坐薬とスポンゼルを挿入し手術を終了いたします。
術後晩期出血
154例 2例 今年(8月まで)
294例 6例 昨年