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渡辺医院

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モヤモヤ病

モヤモヤ病とは

■脳底部にあり、脳の中心に血液を送る血管が集まる「ウィリス動脈輪」が狭くなったり閉塞したりする病気で、軽い脳梗塞や脳出血、頭痛などを引き起こす。
■画像検査で、たばこの煙のような血管が脳に見える病気として「モヤモヤ病」と名づけられた
■女性に多く、男性の約1.8倍の患者数。また日本人や韓国人に多い

診断

脳血管撮影や磁気共鳴画像装置(MRI)で、脳底部の血管が狭くなっていたり閉塞していたりする様子を見つけることによる

年代別の症状

■幼児
・激しい運動や、過呼吸、泣いたりしたときなどに血管が急に縮まることにより血流が不十分になり、頭痛や意識障害、けいれん発作などが出る
・脳梗塞を起こすこともあり、症状が出る時期が早いほど症状が重くなる。3歳前後では知的障害などの後遺症の可能性もある
■20歳代
子どもより脳血流が少ないため症状が出にくい
■30~40歳代
・血管がもろくなり始めるため脳出血を起こしやすく、意識障害や頭痛、運動障害などの症状が出る
・脳出血を頻繁に繰り返すと命を落とす可能性も

頭痛とモヤモヤ病

■子どもから大人まで共通している症状は頭痛で、患者の半数に見られる。
■大人に多い片頭痛とモヤモヤ病の頭痛は症状がよく似ており区別がつきにくい
■片頭痛の薬を使うとモヤモヤ病は悪化することがあるので気をつける必要がある
■最近は検査精度が向上し、片頭痛と思っていてもモヤモヤ病と判明するケースも増加

治療について

■脳梗塞などを起こす血流が不足するタイプの場合は、下記の2種類の血行をよくする手術を受ける。また、両者を組み合わせると最も効果的
「直接血行再建術」
閉塞した血管を迂回してバイパスを作る方法
「間接血行再建術」
脳の表面に筋肉などを置き、2週間ほどかけて自然に小さな血管が形成される
■手術を受けると症状が出にくくなり日常生活が問題なく送れるが、大人になって再び頭痛などが起きて再手術を受けるケースもある
■頭痛や意識障害などの症状が出たら、すぐに医療機関にかかる。
■女性は出産時に悪化しやすい

遺伝子との関連性

■従来より遺伝との関わりが指摘されてきたが、遺伝子検査を使った早期発見の試みが始まっている
■見つけた遺伝子に異常があると発症リスクは190倍
■ヤモヤ病に関連する遺伝子を初めて突き止めた東北大学では、希望に応じて患者の家族の遺伝子検査を開始、脳梗塞や脳出血の発症を防ぐには発症前からの定期的な検査が役立つ