慢性腎臓病について
慢性腎臓病とは
腹部の裏側に左右一つずつあるソラマメに似た形の臓器が腎臓です。
腎臓は血液をろ過して尿を作るだけでなく、血液中のミネラルの量や血圧を調整したり、赤血球を作るホルモンを分泌したりして、全身の血液を調節する役割も担っています。
慢性腎臓病とは、腎臓の働きが慢性的に低下している病気の総称で、無症状のまま進行します。放置していると末期腎不全を起こし、人工透析や腎移植を受けることになります。
この病気には、まだ原因が分かっていない病気も含まれていますが、予防の重要性が高まっているのがメタボリックシンドロームに関連するものです。メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積が糖や脂肪の代謝に異常をもたらし、それによって起こる動脈硬化や血圧上昇などが全身の血管に少しずつ障害を与えていく病気で、その過程で密かに進行するのが慢性腎臓病です。
腎臓を守るための生活改善
<健康的なダイエット・内臓脂肪をためない>
■内臓脂肪をためないように食生活を見直すこと
- 肥満、とくに内臓脂肪の蓄積は慢性腎臓病のリスクを高める。
<薄味に慣れる食習慣を>
■減塩は血圧を正常に保ち腎臓に負担をかけないために重要
- 塩分過多は腎臓に負担をかける
- 子供のころから薄味の食事に慣れるように
<過度な運動の習慣を>
■運動は肥満解消に重要。健康であれば、定期的な運動により体に負荷をかけることは、腎臓機能を保つことに役立つ。
- 早歩き・ゆっくり水泳ぐらいの運動を定期的に行うのがお勧め
<禁煙>
■喫煙は、血管を痛めつける大きな原因となる。
- 喫煙習慣はなにより腎臓の敵
- 喫煙者は禁煙外来などに相談しながら禁煙の努力を
<定期的な健康診断を>
■血液検査で「血清クレアチニン値」が高めに出たり、血圧が高くなったりしたら医師と相談を。
健康診断などで、慢性腎臓病が疑われた場合は精密検査が必要になりますが、主な受診科は、泌尿器科ではなく腎臓内科などとなります。慢性腎臓と診断された場合は、降圧剤などによる厳密な血圧管理を行うとともに、腎臓機能の低下によって起こる貧血、むくみ、骨粗鬆症などの治療を行います。
※2012年2月25日(土)日経新聞掲載記事参照