H22年6月1日にこの垂水で「しもかどクリニック」を開院し、地域に根ざした透析施設として少しずつ認知されて来ました。H25年9月1日に分院の「しもかど腎透析クリニック」を開院しました。
日本の維持透析患者は、導入患者の高齢化や長期透析患者の増加、生活習慣病(糖尿病や高血圧)による導入がH10年(1998年)に原因疾患の第一位になるや増加の一途をたどり、現在令和元年時点では33万人を数えます。
その背景因子を探れば、現在の日本人の国民病と呼ばれる「糖尿病」「高血圧」「肥満」「メタボリックシンドローム」などの「生活習慣病」が原因としてあり、加齢による自然な腎機能低下により腎不全に至る経過が見えてきます。
さらに問題を複雑にしているのは、「慢性腎臓病」(CKD)が心・血管系の合併症の最大のリスクであり、血液透析導入時にすでに心・血管系の合併症の既往を有する事例の増加が挙げられます。
当院は開院時より、「透析患者の予後向上」を目標として、患者一人一人にあった透析条件の工夫を重ねて来ました。すべての患者にHPM膜によるon line HDFを提供し、必要な患者には長時間透析、週4回の透析の処方を行って来ました。
現在の課題は、65歳未満の患者の長期予後を達成するためには、アルブミン結合尿毒素の除去と共に「栄養改善、筋肉量の保持」が重要と考えて長時間のOn line HDF療法を推奨しています。
高齢透析患者には、尿毒素と共に抜けてしまう栄養素、特にアミノ酸、カルニチンの問題に取り組むために、全透析監視装置に輸液ポンプを設置し、適宜アミノ酸の投与を可能にし、「透析患者のアミノ酸代謝」の臨床研究を進めています。透析時間とは除水時間であり、除水速度をゆっくりと行う事で循環器系へ負担を軽減しながら、小分子物質であるアミノ酸の喪失を抑制する治療条件の設定を心がけています。
これから進行してゆくであろう「サルコペニア」「フレイル」の患者の身体活動量の測定から必要な腎臓リハビリテーションへの取り組みも始めました。
地域の病院や介護施設との連携を通じて「高齢者のセーフティー・ネットとしての透析クリニック」を目指すべく日々の研鑽を積んでゆく所存です。