幼少期は医師である父に漠然とした憧れを抱きつつ、公立志向の両親の教育方針もあり、大学まで塾にも行かず趣味の将棋を中心にのびのびと過ごしました。
そんな中、先の阪神淡路大震災では自宅が全壊するという経験もしましたが、後から振り返るほどに、多くの人に支えられて生きているということを学びました。だからこそ自分の進路を具体的に考えるようになったとき、大きな震災などどんなことがあっても人の役に立つことができ、世の中に恩返しができるのではないかと考え、私自身も医師を志すことにしました。
また、高校での学業が思わしくなく進路に悩んでいたとき、ある先生に言われた「医師を目指すのならスーパーマンであってくれ」という言葉も私の背中を押してくれました。学校の勉強が出来るだけではなく、人の気持ちにも寄り添えて、何事にも全力で取り組み、なんでも出来るような人が医師になって欲しいという先生からのメッセージだと解釈してそんな医師になってみたいと憧れるようになりました。これは今でも私の大きな目標となっています。
医学生となってからは様々な医師像を見て勉強をさせていただきました。
人類のために新しい治療を生み出す研究を行っておられる先生や、高度で専門的な治療を行っておられる先生など、 同じ医師といえどもその働き方は多岐に渡っておりました。その中で私が最も心を打たれたのは、実際に目の前で困っている患者様に寄り添っておられる開業医の先生のお姿でした。そして私もいずれ患者様の一番近くに行きたいと思い、来るべき地域医療の日々を見据えて研鑽を積んで参りました。
また、緊急の事態にも強くなければ本当の意味で頼れる医師にはなれないと考え、積極的に救急当直を行うなど、あらゆることに対応できるように努力して参りました。
ご存じのとおり、医療の進歩のスピードは目を見張るものがあります。例えば肺癌診療ガイドラインは毎年大幅に更新されるなど日々進歩が絶えません。書籍化された時点で既に最新版ではなくなっているような時代です。そしてその医療の進歩は現在闘病しておられる患者様方の惜しみない協力の上に成り立っています。患者様からいただいた医療を患者様にお返しする、医師としてこの姿勢を忘れてはいけないと日頃から強く思っております。
治療が進歩して選択肢が増えるにつれて、患者様ご本人やご家族様がご自身で治療法を選んでいく時代となっています。私はどんな治療であっても、十分に説明し、ご納得していただくことで初めて、最大限の効果が期待できると考えています。しかし残念ながら病はいつも突然やってきます。だからこそ私が患者様へご説明する際には、必ずわかりやすい言葉を使って、誰にも負けないぐらい丁寧にお話をさせていただいてきたという自負があります。
そしてこれはこれからもずっと続けていきたいと思っています。
一方で生きている限り必ず寿命はやってきます。だからこそ本当はそもそも病気にならない、持病があっても上手に付き合っていくことで、出来るだけ大ごとにしないようにすることが重要です。
そのためには体が出すちょっとした不調のサインを普段から気軽に相談できる、かかりつけ医の存在が必要不可欠であると考えています。「そういえば最近今までになかったこんな症状が気になっているのだけれど」と患者様に言っていただけたときは気軽に頼っていただけたことが何よりも嬉しく、また誇らしく感じます。
だからこそ全力で一緒に原因や対策を考えさせていただきます。皆様の健康に関わることだけでなく、日常の何気ない出来事も共有できるような存在になりたいと思っております。