私は脳外科と認知症を専門にしております。若い頃は大学で救急に 励み患者を診て手術に勤しみ病気を相手にしてまいりました。 手術を行い、回復され後遺症の手当のために急性期リハビリ病院へ 転院していただく日々でした。そして・・・その後の患者様を若い頃は外来枠もないために診ることもなくどうなったかを把握できていませんでした。退院時には笑顔があったから。
●日本脳神経外科学会 専門医
●日本認知症学会 専門医・指導医
しばらくすると、田舎の一般病院に出向しました。すると一般の救急も取り、外来も仕事が増えました。以前同様、仕事に邁進します 。手術も多くしました。でも、何かおかしい。後遺症が残った患者さんは前述のようにリハビリ病院に行きます。その後、 在宅や施設入居されます。しばらく経て救急で運ばれてくる患者さんもいました。
ここで話を少し変えます。現在、要介護状態になられる方のおよそ 45%は「脳血管障害や認知症」なのに在宅で見てくれる「専門医 」が非常に少ないということです。つまり「専門」が指示した薬を「専門外」が変更するにはそれなりのエビデンスが必要なので変える先生も少ないし、ご家族や施設からの受診が難しいのが現実なのかもしれません。
あなた患者だったらどうでしょう?命を取り留めた。とりあえずよかった。先生にも勧められてリハビリをしてみた。まだ… 全快じゃない。家族も自分もお互いに気遣い今の状況。何も言えないことが多いのではないでしょうか。わたしは「病気」より「 患者さん」を診ることにしました。「専門」として在宅に伺うことにしました。今、患者さんには笑顔を戴いています。 最高の承認です。これがわたしの生きる道です。