はじめまして。
市川市南八幡にて循環器疾患と生活習慣病に特化したクリニックを開業させて頂いております、院長の大坂勤です。
この市川市は私が生まれ育った町であります。
これまで循環器内科 (心臓病・動脈硬化・生活習慣病)の専門医として、大学病院をはじめとする、大病院で循環器救急診療を主体とした勤務を続けて参りました。
今後は、私を育てて頂いた市川市の地域の皆様への感謝の気持ちと、恩返しの気持ちを込めて、皆様方の「元気で長生き」のお手伝いをさせて頂きたいと思っております。
地域の関連病院との医療連携も密にしながら、地域医療の一員として診療にあたって参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
現在の医学の進歩は、目をみはるものがあり、たとえば「再生医療」の分野では、人間の体の多くの臓器が人工的に再生することが可能となっており、「分子生物学」の分野では、人間の遺伝子もほぼ解明されています。 これらの基礎医学の進歩をもとにして、臨床の現場では、失った臓器を再生する手術や、心臓や肺を代表とした「移植手術」が日本でも少しずつ進んできております。また「心臓病・生活習慣病」の分野では、一人一人の患者さんにあった生活習慣の改善や治療法を選択する、いわゆる「オーダーメイド治療」で方針をたてていくことが、標準化されてきています。
しかし、このように医療技術が急速に進歩する一方で、病気が多様化し、高齢化する社会にともない、国民医療費は高騰し、病院では長期入院が困難となってきております。また介護施設数も十分には足りておらず、入所するまでに何ヶ月も待つことも多くなっております。患者さんが、自分の治療を受ける場をどこに求めればよいのか迷っている光景をこれまで多く目にしてきました。
また、今まで私は、心臓カテーテル検査・治療を年間400~500件行う施設などで循環器救急医療に携わってきましたが、最先端の技術、医療機器をもってしても治すことのできない疾患と、それにともなう患者さんの苦しみを、数多く見てきました。また、テレビや雑誌では、「医療ドラマ」「医者漫画」が流行しており、「神の手:ゴッドハンド」と称される医師が登場しますが、同じ病気でも、一人一人が、それぞれ違った体と心をもっています。医師が「治療をする」ということは、何千人、何万人と経験したとしても、逆に経験をつめばつむほど、治療に対する「怖さ」や病気に対する「無力さ」を感じるようになります。
私が今まで出会ってきた医師の中で、「真にすぐれた医師」というのは、いわゆる「名医」ではなく「良医」と呼べる人たちでした。「神の手」をもつ人間などいるはずはなく、この「治療に対する怖さ・無力さ」を常に感じていながら、それでいて一人一人の患者さんにとって最善の治療法を選択し実行できる医師が、いわゆる理想とする「良医」だと私は思っています。
今まで私は医師としての人生を、大病院の中でのみ過ごしてきました。大病院の特色上、重症な患者様や救急車で搬送される患者様を中心に加療をさせて頂いておりました。これまでは、自分の目の前で消えかかっている命に対して、一分一秒を争う状況の中で必死に治療をし、患者様を日常生活・社会復帰させることのために、自分の体力と時間を費やして参りました。
そのような仕事をしている中で、次第にある思いが芽生えてきました。それは、「このような重症・急病になる前に、予防は出来なかったのか?」ということです。
残念ながら、大病院に搬送されてくる患者様の中には、病気が進行し重症化してから紹介・搬送されてくる方も多く見受けられました。医療の現場の最前線は大学病院などの大病院ではありません。治療の最前線は、町の小さな診療所(クリニック)です。いわゆる市民にとっての「かかりつけ医」が、病気の早期発見や再発予防、進行を食い止める、つまり「予防医学」をするべきだと思っております。
たしかに大病院では救命救急や高度先進医療・最先端の癌治療などが受けられます。
しかし、もっと大切なことは「そのようなことに、ならないようにする」「大病院にご厄介にならないようにする」ことだと思います。これまで大病院で出会ってきた患者様の中には、この「予防」が十分でなかった方も多く、症状が無く「放置して、経過をみてしまう」ことがあるため、症状が出現した時にはすでに重症化していたり、急病として突然発症する方も多く見受けました。重症・急病となると、患者様のみならず、その御家族も苦しく・金銭的にも大変辛い思いをされることになります。
予防医学とは、重病の「発症や進行を予防する」のみならず、重症・急病となった患者様の症状の「再発を予防」することも含みます。
今後、市川市の地域医療において、自分がどこまで貢献することができるかはわかりません。医療に「経験」は重要ですが、日進月歩の医療においては、常に新しい情報を取り入れ、臨床の現場で考えてゆく姿勢がなければ、どんなにすぐれた医師といえども、すぐにとり残されてしまいます。自分の技量を常に振り返りながら、「地域医療の担い手」になれるように努力する、のと同時に「地域医療と高度先進医療をつなぐ架け橋」になることを目標に、医師としての後半の人生を送っていきたいと思っています。
医学を学び、医師として育ててもらった北里大学病院の現在の理念は、「患者さんとともに作り出す医療」でした。この理念は、大病院のみでなく、一診療所の願いでもあり、逆に小さな診療所でこそ、「患者さんといっしょに作り出せること」が多くある、と信じています。
微力ながら、近隣の先生方をはじめ、医療機関の方々のお力もお借りながら、よりよい地域医療を築くための一員として、努力していきたいと思っております。
何卒宜しくお願い申し上げます。