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不妊症の漢方薬治療

はじめに
日本での不妊症の定義は、特に避妊をせずに普通の夫婦生活を2年以上続 けられても妊娠されない場合とされています。一方、1年以上経っても妊娠されない場合を不妊症と定義するのが世界的には一般的です。統計をとると、治療を 受けない状態で、1年間で妊娠される確率が80%、2年間で妊娠される確率が90%であるのに対し、3年目に自然に妊娠される確率はかなり低くなってくる ことがわかっています。 ウチだけがどうして不妊症で悩まなければならないのかとお考えかもしれません。 しかし実は赤ちゃんを望まれながらも妊娠されないカップルは10組に1組もいらっしゃいます。
最近では女性の社会進出で妊娠、出産を先延ばしにさ れるご夫婦も多くなりました。ただ、女性の妊娠しやすさは加齢とともに下がってしまいます。妊娠されにくい場合にはまず検査を受けられて、西洋医学的に何 か問題点がないのかを調べられることをお勧めします。

不妊症でお悩みの方は、周囲との関係も含めて、その重荷をたくさん背負い込んでしまわれることが多いようにお見受けします。漢方薬を処方する診療の中で は、お話をおききすることの比重がかなり多いため、そういった心のしんどさを打ち明けて下さる患者様が少なくありません。心の負担を中医学では七情とい い、体質のバランスを崩す原因のひとつと考えています。漢方薬の治療効果には、それを処方する医師との相性も含まれていると思います。

漢方での治療は西洋医学での治療とはまた違った方向性で進められるものです。それぞれ良い部分がありますので、実際に西洋医学の不妊治療と同時に並行して漢方治療をうけていだたいておられる患者様は少なくありません

すこし詳しく - 中医学(漢方薬)治療のおはなし
ここでは不妊症・不育症の方への治療についての基本的な中医学的な考え 方をお話します。専門的な内容ですので、あまり詳しく書きすぎないように専門用語は添え書き程度の最低限に抑えておきます。(以下※印は中医学の用語です) 患者さんにもいろいろな状況の方がおられます。ほとんどの場合漢方薬は何らかの 役には立つと思いますが、やはり卵管閉塞や無精子症・大きな腫瘍などの問題がありますと、漢方薬でも効果は期待できません。
特に漢方薬の適用というものはありません。西洋医学では異常なしとされる場合や、異常はあるものの機能的なもので治療する方法がなかったり難しかったりす る場合などに、より漢方薬の役割が大きいと思います。
治療内容については、患者様の体質の上での問題点に基づいてその内容を考えていきます。不妊症の治療薬という決まったものがあるのではなく、体の根本的な 部分を補強して調整する内容の薬をベースに組み立てていくことが多くなります。 体質はおひとりおひとり異なると紹介しましたが、いくつか共通した部分もありま す。いろいろな分類の仕方がありますが、ここでは中医学の臓腑理論(からだの働きをいくつかのグループに分類して、それぞれが協調して働いているとする考 え方)に基づいてよくみられる症状をご紹介します。
よく見られるのは、「腎」・「肝」・「脾」に関する問題です。

「腎」
とは、尿を作る臓器の働きのことではなく、ひとの体力の一番根本的な部分、つまり先天的な体力や成長老化・生殖機能などの土台となるエネルギーと栄養の貯 蔵庫のような働きを指す考え方です。エネルギーが不足している人(※腎陽虚) は体が冷えやすい以外にも、月経がしっかりと来ない、性機能の低下、慢性的な腰痛などの症状がよくみられます。栄養が不足している人(※腎陰虚)はめまい耳鳴り・健忘・脱毛・月経量の減少のような「虚」の症状と、からだの熱 を冷ます冷却効果の低下からの熱の症状(※虚熱)である火照り・のどの渇き・ ねあせ・多夢などがよくみられます。

「肝」
とは、栄養代謝などの働きのことではなく、主にからだ全体のコントロールをする指揮官のような働きを指す考え方です。
自律神経や内分泌などの働きに近いものがあります。この働きをそこなうと、消化器官の円滑な活動影響して胸やけ・胃炎・便秘・下痢などの症状をきたした り、ホルモンバランスの乱れから月経の周期や量の問題が生じたり、からだの活動の滞りから老廃物(※お血)を生じて子宮筋腫など腫瘍ができたりする可能性があります。

「脾」
とは、解剖学的な脾臓の働きのことではなく、消化吸収排泄の働きを主体とし、栄養代謝やその分配などの働きも含めたものです。
この働きが落ちる(※脾虚)と、栄養を取り込みにくく体質が虚弱になります。 消化不良や便通異常以外にも、免疫力の低下で風邪やヘルペスにかかりやすくなったり、代謝が落ちて冷え症や貧血になったり(代謝できずに余った栄養は肥 満・メタボリックシンドロームなど生活習慣病の一因になります)、子宮内の状態や胎盤を作る機能が不十分になることからの不育症の一因になったりなど、い ろいろな方面へ影響します。 「不妊症の治療薬は○○湯です」というような画一的なものではありません。患者 様の体質を見極めて、それを改善し強化することが主な治療内容です。漢方薬による治療は万能ではありませんが、ご病状によってはお力になれるものと思いま す。ご不明の点はお電話で一度ご相談下さい。

電話06-6345-1148

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