夜驚症 ヤキョウショウ

初診に適した診療科目

夜驚症はどんな病気?

夜驚症とは、睡眠時に突然起きだして、叫び声をあげたりするといった恐怖を感じた時の反応と同じ反応を数分間にわたって続ける症状のことをいいます。小学校入学前から低学年といった低年齢時にみられる症状であり、睡眠に関係する脳や神経部分が未成熟のために起こってしまう症状だと考えられており、小学校高学年になると自然と改善することが多いです。

主な症状

夜驚症の症状としては睡眠時に突然起き上がり、うめき声や大声を上げながら歩き回るものが挙げられます。周りの人間が落ち着かせようとしてもほとんど反応できないほどで、頻脈や発汗、過呼吸などを伴うケースが多いです。これらの行動が10分程度持続した後、落ち着いてくるとすぐに睡眠に戻り、翌日起きたときにはこのことの記憶が全く無いことも特徴です。睡眠全体の前1/3(入眠後2時間後付近)に起きることが多いようです。

主な原因

夜驚症は、体調不良や過度の疲労、環境の変化、、心理的問題によって引き起こされるという報告があります。疲れや発熱といった身体的要因以外に、生活上の精神的緊張や不安が引き金となって、この病状を引き起こすことが考えられます。睡眠状態になると自我の機能が弱まるため、その結果として抑圧されていた心理的な葛藤が行動となって表れるという見識があります。また、家族歴を認めることがあります。

主な検査と診断

夜驚症の検査方法としては、カウンセリングや医師による問診が一般的ですが、確定診断としては、睡眠時の脳波を調べる方法もあります。一般的に、医師によるカウンセリングや問診で、子供が不安に感じていることや何かしら原因が見られた場合は、それで確定診断とし、経過を見ることが多いです。具体的な治療薬や方法もない為、親子の絆を大切に脳の安定を得られるように見守るのが一番大切です。

主な治療方法

夜驚症の治療法についてですが、予後は良好であることがほとんどで、特別な治療を行わず、経過観察でも数年経てば自然に治癒することがほとんどです。夜驚症の症状が出現したときには、無理に起こそうとしたり、動きを止めようとしたりせず、安全を確保したうえで見守っていてください。症状が強かったり、家族への負担が大きかったりする場合は、親子関係の心理的原因を観察し、親子間の緊張や不安を緩和するのを目的として、カウンセリングを行ったり、内服薬として睡眠剤や抗うつ剤を使用する場合もあります。