インフルエンザ脳症

初診に適した診療科目

インフルエンザ脳症はどんな病気?

インフルエンザ脳症とは、文字通りインフルエンザをきっかけとして起きるものです。5歳以下の幼児に多くみられます。適切な治療で約7割はきちんと回復しますが、死亡率と後遺症が残る確率が高いおそろしい病気です。予防するには、インフルエンザにかからないことが一番です。しかし、もし脳症になってしまったときには症状をしっかりと知り早期発見し初期治療を行うことが必要です。

主な症状

インフルエンザ脳症の初期症状として、高熱や全身の倦怠感など、一般的なインフルエンザの時の状態に加え、幻覚や幻視などによって急にうわごとや大声を出すなど意味不明の言葉を言い出したり、突然走り出したり泣き叫んだりするなどの異常行動を取るようになります。急に何かに怯えたりする様子が見られるなどが挙げられます。また長く続く痙攣によって、意識障害を引き起こす場合もあります。

主な原因

インフルエンザ脳症は免疫異常によって発症します。インフルエンザウィルスが脳に侵入するのではなく、ウィルスに対抗しようとした体内の免疫機能がオーバーワークしてしまい、脳の組織細胞を破壊してしまうのが原因とされています。このことから、この脳症はインフルエンザの治療薬が要因ではないことがわかります。解熱剤が要因だともいわれてますがまだ明らかにされていません。

主な検査と診断

インフルエンザ脳症は、まずインフルエンザ感染の診断が重要で す。その後、 意識障害があり、頭部CT検査 で、びまん性低吸収域・局所性低吸収域・皮髄 境界不鮮明など、脳障害を示 す所見があること が、確定の診断となります。そ の他に、詳しく調べる検査方法として MRI検査や脳波検査、血液検査など によって検査することができ、脳症 の重さを推定することも可能です。

主な治療方法

インフルエンザ脳症の治療法は既にガイドラインというものがあり、それに基づいた治療をします。まずは、全身の状態を改善する事が第一で、酸素投与、ショック状態の改善、脱水、循環動態の管理を行います。痙攣が発症する場合もあるので、その場合は痙攣も止める必要があります。その後、タミフルなどの抗インフルエンザ薬、ステロイドパルス療法、ガンマグロブリン療法を行います。