リウマチ性多発筋痛症リウマチセイタハツキンツウショウ

リウマチ性多発筋痛症はどんな病気?
リウマチ性多発筋痛症とは、特に60歳以上の高齢者に起こる原因不明の疾患で体幹に近い部分の筋肉の痛みやこわばりが主な症状として現れる慢性炎症性の疾患です。
リウマチという名前が使われていますが関節リウマチとは異なるものです。肩や頸に痛みを生じるのが典型的な症状です。
男女比は1:2で、男性よりも女性に多く見られる傾向があり、加齢とともにその有病率が高くなります。70~80歳代の女性に最も多く発症が見られます。

頸部から肩、肩甲部、上腕にかけて、また、大腿部から膝などに筋肉痛が現れますが中でも肩甲部に痛みをを生じるケースが多いです。
その他には手関節、膝関節の関節痛や発熱、易疲労感や、食欲不振、抑うつ症状、体重減少なども現れる場合があります。

側頭動脈炎と合併して生じるケースが多く、その場合は視力障害や頭痛の他、食事中に顎の筋肉が痛むようになる顎跛行なども現れます。
リウマチ性多発筋痛症と側頭動脈炎は同じ一つの異常から生じているとする説もあります。


リウマチ性多発筋痛症の症状
リウマチ性多発筋痛症の症状は、突然に痛みなどを生じる場合もああれば、治療せずに放置したことで徐々に症状が進んだようにみえることもあります。
特に急性・亜急性の発症の場合、強い痛みを突然に認めるため、発症した日を認識している場合もあります。

主に頸部、肩関節、背中、腰、股関節に生じる重度の痛み、こわばりが典型的な症状です。
起床時や長時間動いていなかった場合に生じるケースが多く、起き上がれないほどの激しい痛みであるケースも多いです。
筋力が低下を感じる場合がありますが、筋力低下は実際には起こっておらず筋肉に損傷もありません。

手関節、膝関節の両側に関節痛を生じるケースもありますが手指関節にまで痛みが及ぶことはまれで、この症状が関節リウマチとの鑑別に役立つ場合もあります。

発熱においては37℃台程度から38℃以上の場合まで幅広く、個人差もあります。易疲労感や、食欲不振、抑うつ症状を認めたり、これらのことが原因で体重減少につながる場合もあります。


リウマチ性多発筋痛症の原因
リウマチ性多発筋痛症の原因は不明です。一部に遺伝的背景や感染症などの環境要因が発症要因に関連していると考えられています。
加齢とともに有病率が高くなることから、加齢による影響は大きいとされています。
原因は不明ですが、適切な治療が行われれば回復し予後も良好な疾患とされています。

また20%前後の割合で側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)(巨細胞性(きょさいぼうせい)動脈炎)と呼ばれる膠原病(こうげんびょう)疾患を合併することが知られています。
欧米では側頭動脈炎が合併するケースが約半数にのぼるとするデータもあります。この疾患との関係性も研究が進められています。

リウマチ性多発筋痛症は血栓症をはじめ、さまざまな疾患を引き起こすリスクがあります。最も頻度が高いとされるのが血栓症で、血管の太さや部位に関わらず起こる可能性があります。その他には血小板減少、溶血性貧血、心臓弁膜病変、頭痛・痙攣発作、精神症状など幅広い症状を引き起こします。


リウマチ性多発筋痛症の検査と診断
リウマチ性多発筋痛症の診断はリウマチ性多発筋痛症診断基準を元に行われます。
具体的な基準としては50歳以上で、両肩に痛みを生じている、炎症反応の上昇がみられるなどが挙げられます。
血液検査、身体診察、薬剤に対する反応などを基準と照らし合わせ総合的に判断されます。

血液検査では貧血の有無や、CRP上昇や赤沈の亢進から炎症の有無を確認します。
CRP上昇や赤沈の亢進はリウマチ性多発筋痛症に限らず現れる場合があります。
血液中のクレアチンキナーゼの値から筋肉が損傷が無いかも確認します。リウマチ性多発筋痛症の場合、筋肉への損傷は無いためです。
また関節リウマチの患者の多くに見られ、リウマチ性多発筋痛症の患者には見られない抗体も存在します。これを確認することで、二つの疾患を区別する際の助けとなります。

またコルチコステロイドと呼ばれる薬剤への反応も診断の助けとなります。リウマチ性多発筋痛症を発症しているとされた場合、多くの場合コルチコステロイドによって急速に回復がみられることが分かっています。

リウマチ性多発筋痛症の治療方法
リウマチ性多発筋痛症の治療はプレドニゾロンの低用量投与によって劇的な改善が期待できます。プレドニゾロンはコルチコステロイドに当たるものです。
巨細胞性動脈炎を合併している場合には投与量を増やすなど調整して用いられます。
これによって改善が見られれば徐々に量を減らして最小限の用量を探っていきます。
適切に調整を行いながら治療を進めれば、ほとんどの場合は1年程度で投与を終えることができます。
症状によっては数年間にわたって低用量投与を継続する場合もあります。

また脳卒中、心臓発作、視力障害など巨細胞性動脈炎の合併症を予防する目的で低用量のアスピリンを服用します。
アスピリンは痛みの軽減にも効果が期待できますが、プレドニゾロンにように劇的な回復とまでは至りません。

巨細胞性動脈炎はリウマチ性多発筋痛症と同時に発症する場合もあれな、治癒して数年たってから発症するケースもあります。
そのため頭痛、筋肉の痛み、視覚障害などが現れた場合には早期に医療機関を受診することが大切です。

リウマチ性多発筋痛症の参考情報

リウマチ性多発筋痛症の初診に適した診療科目

リウマチ性多発筋痛症の専門外来


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