骨髄線維症

初診に適した診療科目

骨髄線維症はどんな病気?

骨髄線維症は、骨髄の広汎な線維化をきたす疾患の総称で、慢性骨髄増殖疾患のひとつである慢性特発性と、他の疾患に伴って二次的に線維化をきたす続発性に大別されます。高齢者に多く、貧血、巨大脾腫、肝腫大が見られ、髄外造血の結果、末梢血に涙滴赤血球という特徴的な赤血球や、幼弱な顆粒球、赤芽球が出現します。骨髄の線維化により、液体成分が著減し骨髄液が吸引できないdry tapも特徴的です。

主な症状

骨髄線維症では、脾臓が腫れることによる膨満感や腹部の膨張などが症状に表れます。このような兆候がない場合にも健康診断によって血液の異常が指摘され病気が発見されることも珍しくはありません。また、貧血が進行した場合には息切れや動悸、全身の倦怠感が認められるようになります。さらに血小板が減少するようになると、皮下出血や歯茎からの出血などが認められるようになります。

主な原因

骨髄線維症は造血細胞に遺伝子変異が生じた結果、血液細胞が増殖することが原因と考えられており、約半数の患者でJAK2という遺伝子に異常が発生しています。骨髄が線維化する理由は、線維芽細胞増殖を促す因子が骨髄で増えている血小板の母細胞である巨核球から産生放出するために起こります。遺伝性疾患とは考えられていませんが、ごく稀に家族性発症が認められています。

主な検査と診断

骨髄線維症の検査方法としては、初期では大抵白血球の数が増加しており、血小板も経過により増加したり、減少したりしているので、まずは血液検査をします。ただ、確定診断の為には、骨髄の組織を一部分採取し調べる骨髄生検により骨髄の変化を証明しなければなりません。ですから骨髄の組織を採取して、組織を顕微鏡で見た上で、線維が増殖していることを確かめなければ診断ができないのです。

主な治療方法

骨髄線維症は、現段階では同種造血幹細胞移植が唯一の治癒的治療法で、薬物療法は困難とされています。他には骨髄非破壊的幹細胞移植(ミニ移植)が注目を集めていますが、期待できる方法にも関わらず未だ少数例しか検討されていません。薬物療法をする場合は、生命予後は明らかではありませんが、蛋白同化ホルモンやメルファランなどを使用して自覚症状の改善がはかられます。