E型肝炎イーガタカンエン

E型肝炎はどんな病気?
E型肝炎とはE型肝炎ウイルスへの感染によって肝臓に炎症を生じている状態を指します。
食欲不振、全身のだるさ、黄疸などのウイルス性肝炎で見られる典型的な症状が現れます。
急性肝炎を発症するケースがあり、劇症肝炎と呼ばれる重篤な肝炎を引き起こす場合もあります。

E型肝炎は経口感染するため感染している人の便で汚染されたものを摂取することなどで感染します。
主なものは食物や飲料水が感染源となります。インドやネパールでの流行が報告されています。
先進国においては公衆衛生が不良な地域から帰ってきた旅行者に発症が見られます。日本では、D型やE型肝炎は現在ではほとんど報告がありません。

B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスとは異なり、E型肝炎は慢性化することはほぼありません。
まれにHIV感染症にかかっている人や免疫機能を抑制する薬を使用している人など、極端に免疫機能が低下している人に慢性化が見られます。

E型肝炎に対する特別な治療法はありませんが一般的な対処療法によって多くの場合は完治します。


E型肝炎の症状
E型肝炎を発症すると多くは急性肝炎と呼ばれる一過性の炎症によって症状が現れます。
潜伏期間はやや長く6週間程度とされています。初期の症状として食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、気分不快、腹痛などが現れます。腹痛は肝臓の腫大に伴うものです。
肝炎の特徴的な症状である黄疸は急激に現れる点が特徴です。
皮膚や眼球の白い部分が黄色くなったり尿の色が暗色になるなどが黄疸による変化です。黄疸の症状で見ると多くは2週間程度で自然に改善します。
急性肝炎の症状としては典型的なものと言えます。黄疸は、肝臓が血液からビリルビンと呼ばれる黄色い式を除去できず皮膚に沈着するために現れます。

ごくまれに起こる重篤な劇症肝炎の場合、黄疸や倦怠感の他にも意識障害や腹水・胸水、全身のむくみ、出血傾向などが現れます。
これらの症状は肝臓へのダメージが大きく肝臓の機能が保てないために起こります。E型肝炎による劇症肝炎に限ってみると妊婦の感染が特に多いとされています。特に妊娠後期の感染は死亡率が特に高くなるため注意が必要です。


E型肝炎の原因
E型肝炎は感染した人の便で汚染されたものを摂取することで起こり、これを糞口感染と呼びます。
便に含まれるE型肝炎ウイルスは水や氷、野菜、甲殻類などに混入しているケースが多いです。
また動物を介して感染する可能性もあります。豚レバーや野生のイノシシや鹿の肉を食べてE型肝炎を発症した例が日本でも報告されています。そのほか血液製剤や母子感染も見られます。

E型肝炎は特定の地域で流行する場合があります。
主に便に汚染された水が原因となっており、中国、インド、メキシコ、ペルー、ロシアなどで過去に流行したことがあります。日本におけるE型肝炎の発症例はごくまれで、多くはE型肝炎が日常的に発生している国への旅行者が帰国後に発症する例がほとんどです。
流行が見られる地域を訪れる際には、飲料水はもちろん氷入り清涼飲料や非加熱の貝類、非調理の果物や野菜の摂取を避けることが感染を防ぐために大切です。同時に手洗いなどで清潔を保つことも不可欠です。

E型肝炎の検査と診断
E型肝炎の診断には糞便や血液を用いた検査が一般的です。
肝臓がどの程度機能しているか、肝傷害の有無を確認する目的で行われます。血液検査によってこれらを確認する検査を肝機能検査と呼びます。
これによって肝炎の診断や肝傷害の重症度を確認することができます。ASTやALT、ビリルビン、ALPなどが主に肝臓に関連する項目で、これらを確認することで炎症を評価できます。
劇症肝炎を発症している場合、肝臓の機能は急激に低下します。この場合は特に炎症の程度を正しく判断することが治療のためにも重要です。

リアルタイムPCR法と呼ばれる検査方法は結果が迅速に得られる方法です。
E型肝炎ウイルスが含まれるRNAと呼ばれるものを検出する検査で、検査を実施できる医療機関は限られています。

医療機関を問わずに行うことができるのが血液を用いる抗体検査です。
E型肝炎ウイルスの感染から急性肝炎を発症している場合、抗HEV抗体と呼ばれる抗体が作られます。
血液検査によってこの抗体が確認できればE型肝炎ウイルスに感染していると判断できます。

E型肝炎の治療方法
E型肝炎の治療には一般的な生活習慣の改善による対策と抗ウイルス薬による方法が一般的です。
E型肝炎に対する特効薬は存在しないため予防を徹底することも重要になります。現在日本ではE型肝炎の予防接種は行われていません。

急性肝炎の症状が現れた場合には安静を保つことが特に重要です。急性期には入院によって安静を保ち、バランスのよい食事をとります。
食欲がない場合はブドウ糖や肝庇護薬、ビタミン剤などの点滴を行い、食欲が戻ればタンパク質を多く含む食事を取ります。
禁酒することで肝臓に障害を来さないようにすることも重要です。またE型肝炎は経口感染するため特に日ごろから手荒いうがいを徹底し予防に努めることも大切です。

ほとんどの場合自然治癒しますが、まれに劇症肝炎を発症します。
劇症肝炎の治療法としては肝移植も有効な方法として検討されます。その他に血漿交換、人工肝補助療法などの特殊な治療も含めて治療方法が検討されます。

E型肝炎の初診に適した診療科目

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