吸収不良症候群 キュウシュウフリョウショウコウグン

初診に適した診療科目

吸収不良症候群はどんな病気?

吸収不良症候群とは、口から食べ物として摂取した栄養素などの、特に脂肪分の消化吸収が阻害される病気のことを言います。この消化障害の程度や継続期間によっては低栄養状態に陥ってしまうことがあります。この病気では主に、下痢、脂肪便、倦怠感、体重減少、貧血などの症状が見られます。中でも慢性の下痢や、脂肪便は高い頻度で見られます。

主な症状

吸収不良症候群では、身体に栄養素が行き渡らない状態になってしまうため、全身のむくみや貧血、疲労感、下痢、出血傾向、皮膚病の骨の障害や神経トラブル、眼病などの症状が発生します。また女性の場合は、無月経や生理不順が発症する場合もあります。特に子どもの場合は、成長障害や二次性徴低下に繋がる場合もありますので、注意が必要です。

主な原因

吸収不良症候群の原因は、栄養の吸収過程に問題がある場合と、他の病気が問題を引き起こしている場合があります。栄養の吸収に問題があるケースでは、腸酵素欠乏症が引き金になることなどが挙げられます。一方で病気が介在している場合においては、腸の病気や異常タンパク質による臓器の機能障害が要因となって、栄養の吸収を阻害していることがあります。

主な検査と診断

吸収不良症候群の検査方法は、厚生労働省が定めた低栄養状態の基準と消化器吸収機能の結果を評価して診断します。これらの評価は、血液検査と検便検査にて行うことができます。血液検査では主に血清たんぱくと血清コレステロールが主に評価され、検便検査では、糞便の脂肪染色や脂肪定量が行われます。原因疾患や患部を調べるには、CT、MRI、X線透視、内視鏡による生検も必要になります。

主な治療方法

吸収不良症候群は、栄養素をうまく吸収することができない栄養障害を起こす症候群の総称で、阻害される原因により治療法は変わります。原因疾患の治療が原則ですが、治療の方法がない疾患も多くあるため、なるべく口から食べて治療をします。集中治療として行なう、食事療法は乳糖不耐症やセリアック症などでは制限食が有効で、ほかにも栄養素補充療法があります。