肺真菌症 ハイシンキンショウ

初診に適した診療科目

肺真菌症はどんな病気?

肺真菌症とは、カビの一種である真菌が肺に感染する病気をいいます。口腔内やのどに生息する真菌や空気中に存在する真菌を吸い込み、肺の中には入り感染します。通常なら感染しても発症しないことが多いですが、抗がん剤治療中や重病患者で免疫力が低下した人や、糖尿病、免疫不全症候群、慢性腎不全などの疾患に罹患している人に発症しやすいと言われています。

主な症状

肺真菌症の症状は、初期には主に発熱や咳、痰などの軽い風邪のような病状です。肺炎に似ています。血痰が出ることもありますが、逆に何の病状も現れない場合もあります。進行すると息切れや呼吸困難が起こります。重い病気の末期にこれに感染してしまうと強く病状が出て高熱となり急激に病気を悪化させます。健康な状態ではまず感染はありません。

主な原因

肺真菌症は主に抵抗力が衰え免疫不良に陥った宿主に対し特定の細菌が肺に感染して発症します。これらの原因については特に長期の免疫系治療、例えばステロイドホルモン剤の投与などによる結果患者の免疫力が低下したところに細菌が感染するケースが多くなっています。ちなみにこれらを引き起こす細菌の種類はカンジタ、アスペルギルス、クリプトコッカス、ムーコルの4種類となっています。

主な検査と診断

肺真菌症の検査方法としては、たんや気管支用の特殊な内視鏡を使ってとった病巣部の分泌物、または肺を一部洗った洗浄液などに含まれる微生物を培養し、真菌を発見します。ただし真菌は口腔内などに存在していることがあるため、繰り返し検査しなくてはなりません。また、真菌に感染すると血液中に抗体ができるため、血清中の抗原や抗体を調べる方法もあります。

主な治療方法

肺真菌症の治療法とは、まず肺に真菌が存在するのかを検査する必要があります。肺の組織を一部採取して菌を培養します。血液検査を行う場合もあります。そこで真菌がみつかれば、真菌を死滅させる効果のある薬を服用したり、注射を行います。抵抗力が落ちた原因である、風邪等の他の病気も同時に掛かっている場合は、その病気の治療も行います。