胸部大動脈瘤 キョウブダイドウミャクリュウ

初診に適した診療科目

胸部大動脈瘤はどんな病気?

大動脈とは心臓からの血流を体全体に運ぶ為の一番大きな管であり、胸部の部分を胸部大動脈、腹部の部分を腹部大動脈と呼びます。胸部大動脈瘤とは胸部大動脈が大きく膨らんでしまった病気です。その原因としては血液中のコレステロールなどにより血管内に血液が溜り、血圧が高くなるためです。胸部大動脈瘤になっても症状はありませんが、動脈瘤が巨大になると声がかすれたり、飲み込みづらくなる場合があります。

主な症状

胸部大動脈瘤は、周囲の組織を圧迫するほど大きくなるまで症状が現れません。圧迫される組織によって症状が異なり、気管が圧迫されると呼吸困難に、食道が圧迫されると飲み込みが困難になります。声帯の動きに関わる神経が圧迫されれば声帯の働きが悪くなり、しわがれ声が現れます。また、胸部大動脈瘤が破裂すると胸に痛みを感じ、呼吸困難やショック状態に陥ります。

主な原因

胸部大動脈瘤が起こる最も多い原因は加齢による動脈硬化であり、他には梅毒、炎症性、嚢状中膜壊死や外傷によって起こります。炎症性は女性に多く発症し、大動脈炎症候群と同じ原因とされており、眼の症状を伴う場合もあります。嚢状中膜壊死は血管壁の中膜が変性し、壁が弱くなったものであり、先天性の原因とされています。その他に転落や交通事故による外傷が広範囲に渡っている場合には仮性動脈瘤が起こります。

主な検査と診断

胸部大動脈瘤の主な検査方法としては、胸部のレントゲン検査が用いられます。そして、心臓の影を判断する事が困難な場所に動脈瘤がある時には、検査が困難になる事もあるので、複数の方向から胸部のレントゲン写真をとることになるのです。そして、胸部の大動脈の拡大の状態をに知には、レントゲン写真からでは困難なので、胸部のCT検査が使用され検査する事が一般的です。

主な治療方法

胸部大動脈瘤の根本的な治療法は手術以外ありません。手術の適応となるのは、緊急手術を要する大動脈瘤破裂、未破裂のものでも最大短径が60ミリメートル以上のもので、それより小さいものも破裂のリスクが高いと判断されれば手術の適応となります。手術の内容としては、人工血管置換術とステントグラフ留置術があります。高齢者や外科手術ハイリスク者には低侵襲であるステントグラフト治療が有用です。