急性ビタミンa中毒 キュウセイビタミンエーチュウドク

初診に適した診療科目

急性ビタミンa中毒はどんな病気?

急性ビタミンa中毒とは、ビタミンaを含有している薬や食品を大量に摂取することによって、急性の中毒症状がでることです。腹痛、悪心、嘔吐、めまい、食欲不振、過敏症などの症状がでた後に、全身の皮膚落屑がみられます。妊娠時の胎児の成長にはビタミンaの十分な摂取が必要ですが、過剰摂取した場合には先天的障害を引き起こすことがあります。

主な症状

急性ビタミンa中毒になると、頭蓋骨内の圧力が亢進するため頭痛が起き、皮膚がボロボロと剥がれやすくなったり、肌に発疹や濃い黄色のカロチンの色味があらわれるという症状が出ます。肝臓に負担がかかり、腹痛や嘔吐症状があり、苛立ちやすくなったり、怠くて眠くなったりといった気分障害も出てきます。また、妊婦が急性ビタミンa中毒を起こすと胎児に先天的な影響が出る可能性があります。

主な原因

急性ビタミンa中毒の原因は、子供においては通常大量(300,000IU以上)のビタミンA製剤の誤飲によって発症します。成人に於ける急性ビタミンa中毒は、かつて北極探検家が北極熊又はアザラシの肝臓を摂取した際に発症しました。これらの北極熊やアザラシの肝臓には数百万IUのビタミンAが含まれていた為です。カロチンは体内でビタミンAに変換されるがカロチンの大量摂取では急性ビタミンa中毒は発症しません。

主な検査と診断

急性ビタミンa中毒の検査方法としては、症状からの類推とともに問診による、過去およそ12時間内においての特異な食物摂取経験の有無・ビタミンAを含むサプリメントの服用の有無と服用量の確認が主となります。受診時において頭蓋内圧亢進などによって意識レベルが低下している場合、血液検査からの他の疾患との鑑別は難しいため、対症治療によって回復した後に問診を持って確定する事になります。

主な治療方法

急性ビタミンa中毒の治療法は、ビタミンaを過剰に摂取することをやめることで、通常は完全に回復します。ですが母体の急性ビタミンa中毒によって起きた胎児の先天異常は、不可逆性であるため回復することはありません。良い栄養素だからといって過剰に摂取しすぎると健康に異常をきたすだけではなく、胎児にまで影響が出るので、サプリなどの過剰摂取は注意が必要です。