遺伝性ニューロバチー

初診に適した診療科目

遺伝性ニューロバチーはどんな病気?

遺伝性ニューロバチーとは、先天性の末梢神経障害のことで、遺伝性末梢神経障害とも呼ばれています。遺伝子の一部が変異したことが原因と言われていますが、詳しくは判っていません。運動神経・自律神経・感覚神経のいずれかに優位性のある障害症状を来たします。現在、有効な治療法がないので、症状から原因を推測し、対処療法を中心に症状を緩和させます。

主な症状

遺伝性ニューロバチーの患者さんは、小さいころから運動が苦手で、大腿部より下の部分が細くなっていく筋委縮がみられます。また、歩行時にはつま先が垂れてしまい床に引っかかる垂れ足が自覚されます。感覚障害による症状は、障害を受けた部分が外から見ると手袋や靴下をはいたように見える手袋靴下型として現れます。慢性的な病気で、進行は非常にゆっくりです。

主な原因

神経難病のひとつである遺伝性ニューロバチーは、タンパク質の合成に重要な役割を果たすtRNA合成酵素の遺伝子配列の異常が原因で発生します。具体的には、アラニルtRNA合成酵素の遺伝子配列の異常が、タンパク質の合成を妨げ、細胞へのタンパク質供給が滞り、運動神経がすこしずつ変性することで、遺伝性ニューロバチーを引き起こします。

主な検査と診断

末梢神経障害の有効な検査方法は、問診と神経学的な診察です。神経学的な所見だけでは診断に至らない場合は、末梢神経の生理学的機能検査を行います。この検査によって、末梢神経障害の場所と程度、種類がわかります。この際に遺伝性ニューロバチーであるかどうかを鑑別できます。原因を精査するために、適宜、血液検査及びX線検査を行います。

主な治療方法

遺伝性ニューロバチーとは、末梢神経が痺れたり、脱力する病気です。ゆっくりと症状が悪化するのが特徴です。症状が軽ければ、普段通りに日常生活を送ることができます。遺伝性ニューロバチーの根本的治療は、まだ確立されていないのですが、中心となっている治療法は、原因となっている病気に対しての対症療法です。神経症状の悪化を防ぐための対策をたてることが重要です。